The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
『おやすみ、いい夢見てね』
三ツ谷と叔母の姿が重なる。
落ち着く声とその笑顔が重なって、懐かしくて和泉は驚いていたが疲労が溜まっていたせいか瞼がゆっくりと閉じていった。
「おやすみ」
「おや、すみなさい……」
ゆっくりと瞳を閉じていく和泉に、三ツ谷はまた小さく笑みを零した。
まるで幼子のようだと感じながら、頭を優しく優しく撫でてやる。
そして暫くすれば小さな寝息が聞こえて、上下する肩が見えると三ツ谷は布団に潜り直しながら視線はまた和泉へと向ける。
「明日は、もっと笑ってくれたら…良いんだけどな」
❈❈❈❈❈❈❈❈❈
ー和泉sideー
ピチピチという鳥の鳴き声が聞こえる。
そして慣れない匂いがするのと、フワッと香ばしい匂いがして腹が『くぅ』と鳴るのが分かった。
「ん……?」
ゆっくりと起き上がると、見慣れない場所で周りを見渡してから直ぐに気が付いた。
ここが三ツ谷先輩の自宅であり自室で、昨日泊まっていた事を。
寝惚けた脳を起こしながら、目元を擦ってから布団から出るとスウェットが大きいせいなのか肩からズレている。
それを直しながら部屋から出ると、知らない女の人がいた。
「あら、あらあら。おはよう!」
「え、えっと………お、おはようございます??」
「お、和泉。起きたんだな、はよ」
「え、あ…えお、おはようございます」
机に肘を置いてにこにこと微笑む女性。
何処と無く三ツ谷先輩に似ているような気がする…と思っていれば三ツ谷先輩が溜息をつくのが聞こえた。
「オレの母ちゃん」
「初めまして!和泉ちゃん!!隆とルナマナから話は聞いてるわ。こんな可愛い子なんて!!」
「え、あ…初めまして!て、あれ?ちゃん?」
「悪ぃ…和泉。母ちゃんに問い詰められて話した…」
三ツ谷先輩が言うには、寝ている間に三ツ谷先輩のお母さんが帰ってきて隣同士で眠っているのを見たらしく朝起きた三ツ谷先輩は問い詰められたらしい。
「とてもいい子だって聞いたわ。ルナマナを助けてくれてありがとうね。お世話になってるわね」
「いえ…。俺こそ何時も、三ツ谷先輩とルナマナちゃんにはお世話になってます」
「あら、律儀で可愛い子。隆には勿体ないわ」
「おい母ちゃん!!」