The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
自嘲しながら和泉は眉間に皺を寄せた。
これは自分が招いた事…そう考えていると、カタンと音が聞こえ反射的に後ろを振り向く。
「あ…三ツ谷、先輩」
「ん?どうした?」
後ろには三ツ谷の姿があった。
ボーとしている時に物音が鳴ると、どうしても敏感になるようで和泉は深く息を吐く。
和泉のそんな様子を見た三ツ谷は、彼女の隣にしゃがんでからその手を取る。
そしてゆっくりと立たせてから無言で自室へと向かっていく。
「あ、あの三ツ谷先輩っ…?」
「寝ようぜ。もう遅いし…な?」
細く微笑む三ツ谷は、そのまま自室に入っていくと押し入れの前に立ってから敷布団や掛布団を取り出してから畳の上に敷いた。
「前にドラケンが泊まりに来た時のやつだから…ドラケン臭がするかもしれねぇけど」
「ドラケン臭っ…あははっ」
思わず和泉は笑ってしまった。
親友だろうにそんな事を言うところが面白くて笑ったが、次の瞬間口を急いで塞ぐ。
向こう側ではルナマナが眠っている。
起きてはいないだろうかと思っていれば、頬に手の平が添えられた。
「やっと笑ってくれた」
「あ……」
三ツ谷は優しく微笑み、目を細くしながら嬉しげにしていた。
そして親指の腹で和泉の目元をゆっくりと撫でていく。
「それと、ちゃんと笑ってるの初めてみたかもな。そっちの笑顔可愛くて好きだな、オレは」
「あ、ありがとう…ございます……」
「さてと、寝るか。敷布団くっつけるからな、狭いから」
「は…はい」
三ツ谷は敷布団同士をくっ付けてから、自分の布団に座ると隣の敷布団をポンポンと叩く。
和泉はそれを見てから敷布団に座れば、三ツ谷は満足気に微笑む。
「電気消すな」
「はい…」
掛け布団を掛けた和泉は、口元まで掛け布団を上げてから隣を見れば三ツ谷も掛け布団の中へと潜っていた。
そんな姿を見ていれば和泉の中でじわりと緊張感が溢れ出す。
何せ武道や修二以外の異性の部屋では泊まった事がない。
そして、最近三ツ谷の傍にいると不思議な気分になる事が多いのを思い出した。
「ん?どうした?」
「い、いえ。何でもないです」
「そうか?じゃあ、おやすみ…いい夢を見ろよ」
その言葉に和泉は一瞬目を見開いた。