The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
そう笑う三ツ谷先輩の笑顔は輝いて見えた。
明るい太陽な笑顔で、きっとその笑顔は色んな人を眩しくさせている筈。
きっと彼の隣に立つことになる女の人は、幸せになれるんだろうなぁ。
隣に立つことになる女の人が羨ましい……そう思ってた瞬間目を見開いた。
(今、俺……なんであんな事思った?)
自分がなんであんな事を思ってしまったか分からない。
そう思いながら、唖然としていれば三ツ谷先輩が首を傾げていた。
「どうした?」
「いえ…何でも、ないです」
「そうか?…風呂湧いてるから入ってこいよ」
「じゃあ、お先失礼します」
「おう。ゆっくりと温もれよ」
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ー三人称ー
風呂へと向かった和泉を見送った三ツ谷は、洗濯しなければなと彼女が浴室に入ったのを確認してから脱衣所へと入った。
浴室からはシャワーの音が聞こえてきて、成る可くそちらを見ないように脱衣所のカゴに入った和泉が着ていた服を見た。
「和泉!下着以外は洗濯するな!!」
「あ、はい!ありがとうございます!」
驚いたような声が聞こえた事に三ツ谷はクスクスと笑いながら、和泉が着ていた服と袋に入っていた服を取り出した。
その時フワッと香水の匂いが鼻腔を掠める。
(香水……。これ、メンズの香水の匂い)
前に何処かの店に入った際に、嗅いだメンズ用の香水の匂いが和泉の服から香った。
その事にグッと彼の眉間に皺が寄っていく。
不機嫌になっていくのを感じながら、三ツ谷は洗濯機に和泉の服を全て入れた。
そして柔軟剤から愛用している洗剤を入れてから、脱衣所を出ていく。
「何でこうも、苛つくんだろうな……」
嘲笑うかのような笑みを貼り付けて、自室に戻ってから布団の上に座る。
あの時和泉が親友と呼ぶ男に襲われかけた話を聞いた時も、どうしようもない怒りとイラつきが溢れていた。
「……渡したくねぇな」
ポツリと呟いた声は、静かなる部屋へと吸収されていく。
三ツ谷は深く深く溜息を零してから、和泉が風呂場から出てくるのを待った。
一方シャワーを浴びて、湯船にも浸った和泉は何処と無くホワホワした気分でいた。
髪の毛から香る三ツ谷と同じ匂いに、頬が少しずつ赤くなるのが自分でも分かる。