The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
ー和泉sideー
まさか三ツ谷先輩と遭遇するとは思っていなかった。
1人になれば落ち着けると思ったのに、落ち着けなくてなのに三ツ谷先輩が現れて触れられて落ち着く事になるなんて。
(何でこの人は、乱してくるのだろう)
今まで1人で出来た事が、今まで1人で何とか恐怖心を落ち着かせていたのに。
この人が現れたせいで甘えが溢れてくる。
「ちゃんと寝てれば良いけど」
鍵を静かに開ける三ツ谷先輩の横顔を見てから、ポケットに入れていた携帯がバイブ音を知らせるのが分かった。
だけど今は携帯を開く勇気はない。
「和泉、入っていいぞ」
「あ、はい…」
足音をあまり立てないように、静かに歩きながら中に入って行きながら三ツ谷先輩の後を着いていく。
前に入ったきりの彼の自室に入っていくと、ルナマナちゃんが眠っているのが見えた。
暑いからなのだろう。
隙間は出来ているけど、2人は寄り添うに眠っているのが微笑ましく思いながら三ツ谷先輩の部屋である奥のスペースへと入っていく。
「寝巻きがいるな…」
「すみません、前にお借りしてたの全然返せなくて」
「良いって。タイミングが合わねぇもんな…オレが着てるのでも良いか?」
「はい」
「じゃあ、コレかな。あ…下着……」
三ツ谷先輩は言葉を詰まらせるように、何処か気まずそうにそう言葉を発する。
確かに下着がないのが問題であった。
「あ、下着は別に大丈夫です……」
「分かった。じゃ、風呂沸かしてくるからちょっと待っててくれ。座ってていいからな」
「はい…」
ストンっと畳の上に体操座りになる。
頭を膝へと押し付けてから、未だに込み上げてくる吐き気と恐怖心をぐっと抑え込む。
青宗の顔が脳裏から離れない。
別に青宗が怖いだけじゃない…あの時の光景と重なってしまうのだ。
(でも、修二は大丈夫……)
アイツはあんな事が起きる前から、悪ふざけでやってきていたし慣れていたせいだろう。
だからと言ってアイツがファーストキスって訳ではないし、なんて考えていると声が聞こえた。
「和泉」
フワッと頭の上に手のひらが乗った感覚があった。
足音にも気付かなった事に驚きながら、顔を勢いよく上げると三ツ谷先輩の顔が目の前に広がっている。
「和泉。やっぱり聞いてもいいか?」