• テキストサイズ

【進撃の巨人】月と青い鳥

第7章 調査兵団



壁外調査まで数ヶ月 兵団内でのリヴァイ達はブレードの扱いと乗馬の訓練を重点的にしていた

雑用係の仕事も忙しくて 幹部の人も調査前の様々な書類に目を通し署名をしていく
その合間に今回から導入する新しい陣形や信号弾の確認などの会議など 私が見ても忙しくしていて いつ訓練をしているのか不思議なくらいだった

特にキース団長は各幹部が署名した全ての書類を確認したり 会議には全部参加してるから 調査前に体を壊さないか心配だなぁ…



今日は特別に書類が多い…原因はハンジが溜め込んでいた書類がさっきの大量に届いたからで さすがに団長も深いため息を吐きながら書類の山を眺める

いつもある目の下のくまが今日は一段と濃く見えるなぁ…


「団長…少しだけ休憩しましょう」

書類の量を考えると1秒でも 手を止めたくないのは分かるけど



「紅茶を一杯飲む時間だけでも ペンや書類からは手を離しませんか?昨日 調理室を借りて焼いたんです 疲れた時は甘い物がいいですから食べて下さい」


トレーを持った私を見て団長は深く息を吐いて椅子から立ちあがりソファーに座ってくれた


ティーカップの横にパウンドケーキを2切れ乗せた皿を置く


「いい香りだな」

「ありがとうございます今日はオレンジジケーキです」


地下街で砂糖は贅沢品だった このシガンシナ区の市場でもかなり高くて少ししか買えない だからオレンジの皮がシワになるまで置いて糖分を高めてからジャムにした

それを型に入れた生地にスプーンで荒く混ぜこみマーブル状にした 焼けたパウンドケーキを切るとなかなかに綺麗なマーブル模様が出来ていた


「君が来てくれて…助かっているよ」


「ありがとうございます でも失敗ばかりです…」


団長はゆっくりと時間をかけて紅茶を飲む 団長の視線の先には
朝リヴァイと本部の周りを散歩した時に摘んだ花をさした小さなビンがあった


「こんなちょっとした事だが君の気づかいがありがたいよ…」

険しかった顔が少し緩んだ気がした





でも仕事に戻った団長はハンジの書類を見ると


「あの馬鹿が!」

と叫びまた険しい顔をして書類に何かを書いた リラックスできたのは一瞬だった


/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp