第5章 風が変わる
調査兵団の本部は今いる王都から400km以上離れているらしくて 今は馬車に乗ってるけど途中から水路を使い ウォールマリアに着いたらまた馬車に乗るらしい
10年ぶりの外は太陽が眩しくて
「リヴァイ!太陽!それに青空だよ!」
「カナコすげぇ綺麗だな!本当に青いぞ!」
馬車の窓に張りつきイザベルと2人でキャッキャッしてると
「カナコうるせぇ」
あまりにもの騒がしさにリヴァイから何度も「黙れ 座れ」と言われ 最終的には憲兵に
「目隠し用の布と手と足を縛るロープとかねぇか?」と聞かれる始末だった
「だって10年ぶりだよ! 本当は外に出て走りたい気分だもん」
一緒に乗っていたエルヴィンが思わず吹き出した
笑うエルヴィンは綺麗で私は少しはしゃぎ過ぎた事を謝った
「10年ぶりか…なら次の休憩で私の馬に乗るか?」
自分でも今の私の目はキラキラしていると思っている
リヴァイを見ると 何かを諦めたように深ーいため息を吐いて そっぽを向かれた…
ダメなら「ダメ」と言うリヴァイが何も言わない でも「いいよ」とも言わない…
たぶん 今の私に「いいよ」以外の答えが無い事は分かっている だけど言いたくないんだろうなぁ…
私はエルヴィンの服を掴み元気に答えた
「もちろん!絶対乗ります!」
ごめんねリヴァイ…乗らない選択はないよ
広い公園に馬車が止まり休憩になった
馬車から出て 手を上げて思い切り伸びをする ずっと座っていたから体が固くなっていたみたいで 関節がポキポキと鳴った
陽の光が温かい…と感じる事が久しぶりで顔を上げて目を閉じ日光を浴びる
いつの間にか隣に来ていたリヴァイが私の手を取る 後ろから付いてきたミケさんに「2人の時間が欲しい」と言うと 少しだけ離れてくれた
。。。。。。。。。。
「お前達は一緒に行かないのか?」
私の隣でファーランとイザベルも馬車から降りて体をほぐしている
「行かねぇよ 兄貴とカナコの時間だもん」
「だな…あの2人は本当に仲がいいんだ」
リヴァイは頭ひとつ分背の高いカナコと手をつなぎ公園をゆっくりと歩く 言葉を交わし笑う彼女を見上げるリヴァイは柔らかい表情をしていた
俺達に向ける顔とは全然違うな…