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【進撃の巨人】月と青い鳥

第5章 風が変わる



「アイツは俺達とは違うんだ 乱暴に扱わないでくれ」


リヴァイは私の髪を掴む憲兵とは別の金髪の憲兵に静かに言った

床の下にある私の秘密はファーランもイザベルも知らない リヴァイだけが何故私が床に座り動かないか分かっている


「その下に何を隠したナイフか?」

髪を掴む手に力が入る

痛みに顔を歪めながらも 答えないでいると 顔を床に叩き付けられ腕を掴まれて引きずられた
そのせいで浮いていたタイルの角で太腿を切った
そのまま憲兵に引きずられ床に血の後が残る

私の下にあった秘密が現れ 折り紙の本を拾われた

無表情の憲兵の顔に驚きの表情が一瞬浮かぶけど すぐに元の無表情に戻りテーブルの上に本を置いて リヴァイの後ろにいる憲兵に近づき耳元でなにかを伝えている



リヴァイと目が合うと彼の顔は私を優しく見ていた 「大丈夫」と言ってくれてる気がして気持ちが落ち着いていく


その横にいるファーランとイザベルは何が起きているのか分からない顔をしていた






もう一人の金髪の憲兵がリヴァイから離れて私に近づいてテーブルの上に置いた本を手に取りパラパラとページをめくる

床下にある 元の世界のトートバッグも拾い 折り紙の本をその中に入れマントの下に隠した


憲兵が膝を付いて座り込んでいた私と目を合わせる


「私はエルヴィン・スミスだ 君の名前は?」


「カナコ・ヤマウチ」

金髪 碧眼 で眉毛が凛々しくて…声の響きも耳に心地いい 不思議な雰囲気をした憲兵…エルヴィン・スミスの初対面での印象はそんな感じだった



「怪我をしてるな…ミケ お前のせいだから手当てをしてあげなさい」

床についた血の跡に気付いた


「大丈夫です 自分で出来ます!」

内太腿だから場所だけに恥ずかしい


「そうか…なら手当てが終わったら 準備をしなさい」


「準備?」


「準備が出来次第 調査兵団本部へと出発する 3人の拘束も解け もちろん見張りを付けるが もうここには帰れないんだ 持って行きたい物もあるだろう」



リヴァイは拘束を解かれると私の元に駆けつけてきた


「傷口を洗いたい浴室を使う」


私の隣にいるエルヴィンはうなずき


「2人きりにはできない 私も行く」


エルヴィンは浴室のドアに立ち リヴァイは傷口を洗ってくれた



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