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【進撃の巨人】月と青い鳥

第1章 はじめまして ここは何処ですか?



ようやく咳が治まり呼吸を整えている私の前には 12歳くらいの男の子が石の上に座り眉間に皺を寄せて私のトートバッグの中身を見ていた



人のバッグの中を勝手に見てはダメだよ…

今日予定は児童館のバイトだけだったから 小銭入れ ポーチ ハンカチ 立体花の折り紙の本が2冊 児童館のバイトノートくらいしか入ってない

スマホは家に忘れてきたし盗られて困るのは入ってないか…



少し冷静になって回りを見渡すと 鍾乳洞の中のような場所に自分がいることに気付いた

見上げると高い天井に大きな穴が空いていて緑が見え光が眩しい…って…ここ何処?



頭が真っ白になるってこんな感じかな…


立ちあがり汚れた服を手で叩くと少しだけ綺麗になった気がした




「落ち着いたか?」




まだ肩で息をしている私を男の子はナイフを片手に持って見ている



疲れた…久々に咳き込んで肺も痛いし背中も痛い…体も辛いけど脳みそも疲れた…

刃物を持った男の子が目の前にいる

そんな状況を普通に受け入れる事にした
もう色々考えたくない…




「うん……」


「お前は…」


「加奈子… 私の名前 お前…なんて言わないで…君の名前は?」


「リヴァイ」



「リヴァイ…ねぇ 立ってもらっていい?」


「チッ」


面倒くさそうにリヴァイは立ち上がる



さっき立って自分で分かっていた 今の私は175cmなんかない


言われた通り私はリヴァイより背が低かった



ポロポロと涙がこぼれる いっそ わーん と泣いてしまいたい

喉の奥がギュッとなるのを何とかこらえた


「リヴァイ…ここは何処なの?」


「……王都の地下街のはずれだ お前…壁内の人間じゃあねぇな」




「壁内?」


リヴァイは私のバッグから折り紙の本を取り出しパラパラとめくる


「初めて見る文字だし こんな綺麗な本は王都でも見た事はねぇ…

それにお前…カナコはその水溜まりから出てきた」


リヴァイが指差した水溜まりは本当に普通の水溜まりで のぞいてみたら 10歳くらいの私が水面に写った


「もう…ダメ…」


私は現実を受け止めらず ペタリと座り込み わーん と声を上げて泣いた










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