• テキストサイズ

(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一


ここ最近は家に帰んのもなんとなく憂鬱だった。けど今日は家にあいつの姿がなくてほっとした。いつも通り晩飯を食ってテレビ見てぼーっとして過ごす。明日からは新入部員も入ってくるしポジション争いがもっと厳しくなる。ってことは今のままってわけにもいかねぇな。

「ねぇ、一」
「何?」
「いちかちゃんと同じクラスになったんだって?」
「なんで知ってんの?」
「いちかちゃんから聞いたの。及川君も一緒なんだってね」
「そうだよ。新年度早々マジで最悪だ」
「最高じゃない。やっぱり二人は結ばれる運命なんだってお母さん確信しちゃった」
「止めてくれ。俺は迷惑してんだよ」
「心配しなくてもそれはきっと今のうちだけよ」

んなわけあるかよ…。勝手に運命とか決めつけやがって俺にとっては全部不運の始まりなのによ。

「ところで」
「何?」
「今、暇そうね」

ああ、またか。親からのこの言葉は大抵面倒なことを押し付けられる常套句。またあいつ絡みかよ…と嫌でも予想できる。

「……なんだよ」
「明日の朝ご飯用のサンドイッチ、たくさん作り過ぎちゃったからいちかちゃんの家に持って行ってくれる?」
「もうこんな時間なんだし母さんが行けばいいだろ?すぐそこなんだし」
「それじゃ意味ないから言ってるんでしょ?少しずつ距離を縮めるには場数踏まなきゃ」
「場数ってよ…」
「とにかく持って行ってきて。今日だって晩御飯誘ったのに学校であんたに迷惑かけたからいいですって遠慮しちゃって…。一なんて迷惑のひとつやふたつかけられたってなんてことないのに」
「どういう意味なんだよ」
「言葉のまんまよ。ほら今から持ってって」
「嫌だっつったら?」
「今月分のお小遣い、返して」
「絶対そう言うと思った」
「一なら行ってくれるってお母さん信じてたから」
「はぁ…。行きゃいいんだろ。けど一言言っとけよ。玄関の前に置いとくからって」
「会ってきなさいよ。折角なんだし」
「学校でも会ってんのにこれ以上会いたくねぇって。マジで勘弁してくれ」

テーブルの上に置かれた保冷バックを持つとそのまま家を出る。まだ4月、昼間はだいぶ暖かくなってきたとは言ってもまだかなり肌寒い。ジャージを羽織って足早にアパートに向かった。
/ 1333ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp