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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第35章 約束





しのぶさんみたいに鬼を殺せる毒を作れるならば話は別だが、私はそちらの道を極めなかった。
元々、陰陽師の生き残り。陰陽道を駆使して戦っている以上、呼吸を極めることはできない。

私に残された薬師の道は人を助ける薬を作ることだけ。
それに特化していれば、怪我人が出た時に重宝してもらえたし、しのぶさんとの役割分担ができてちょうど良かったと言える。


「では、此処に置いておきます。いらなければいつものように捨ててもらっても構いません。また来ます。」


「二度と来るなと何度言えばわかる!!」



確かに何度も言われている。
此処に来るたび何度も何度も…
それでも此処に来る。それが私の生きる道。
私と煉獄さんとの約束だから。

続ければ自信が持てるような気がしたから。


「…死んだらもう来ません。でも、生きてる限り何度でも来ます。失礼します。」


「……っ…。」


少しだけ怯んだような顔をした愼寿郎さんだけど、最後まで厳しい視線は変わらなかった。







宇髄さんの家に帰る最中、茜色の空を見上げながらぼんやりと考える。
奥様達がいないから私の仕事は薬師と鬼殺隊の仕事以外に炊事洗濯掃除。

ひょっとしたらこれは思い描いていた宇髄さんとの結婚生活のようなものだ。


今となっては虚しいだけなのだが。
それでも願っていたことが叶うのは少しばかり嬉しかった。


大好きな人との結婚生活を体験できただけで私は幸運だと思う。


こうやって考えれば何が幸せなのか分からない。

煉獄さんは命を懸けて戦って亡くなってしまったけど果たして不幸だったのか?
亡くなったことは悲しいし、つらい。

でも、鬼舞辻無惨の傀儡のように生き続けている鬼の方がよほど不幸だ。


人間は必ず絶対にいつか死ぬ。
それは逃れられない運命。

でも、だからこんなにも一生懸命に生きるのだ。

残された愼寿郎さんも千寿郎くんも
記憶を消してしまった私も
記憶を消されてしまった宇髄さんも


誰もがその人生歩むためには一喜一憂する。


想いを繋ぎ、生きていくことこそが残されたものがやるべきこと。


だから私は生きている限り煉獄さんの想いを届け続ける。

それこそが私の生きている証。


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