第29章 停戦協定※
ほの花に強姦紛いなことをしてしまった。
しかも二回目だ。
流石にこんなことが続けば暴力夫の名を欲しいままにしてしまう。ほの花を傷つけたいわけじゃない。自分の嫉妬を彼女にぶつけて酷い抱き方をしようとしてしまった。
今回、前回より唯一良かったのはそのまま続けて膣内射精をしなかったことだけだ。
鼻息荒めに居間まで来ると、既にそこで茶をしばいていた正宗たちの前にドカッと座った。
不思議そうに此方を見ているが、俺の機嫌が悪い時は大体ほの花のことだと理解しているのだろう。
事情は聞かずに、大進が茶を淹れてくれた。
「宇髄様、どうぞ。」
「…ああ。」
それを一口飲めば少しだけ冷静になって落ち着いていく気持ち。
ほの花に悪意があったわけじゃない。それは分かってる。だからこそ、こうなってしまえば腹を立てるのは自分自身なのだ。
しかし、そういえばこの三人はほの花と一緒に刀鍛冶の里に行っていた。
要するに事情を知っているかもしれない。
これ以上、荒れ狂いたくないが、ほの花に聞けばまた腑が煮え繰り返り酷いことをしてしまうかもしれない。
こう言うことは第三者から聞くのが一番だ。
そう思い、湯呑みを卓に置くと三人に向き合った。
「…なぁ、鋼鐡塚蛍って奴知ってるか?」
その瞬間、目を見開いて顔を引き攣らせる三人の表情にため息を吐いた。
どうやらことの次第を理解してくれたらしい。しかも、この三人はちゃんとその男の"好意"にも気付いていたのだろう。
目線を彷徨わせるその姿は明らかに俺に対して申し訳ないと思っているようだった。
「…どうやら事情は知ってるらしいな。」
「やっぱりほの花様やらかしました…?すみません。先に我々から宇髄様に伝えておけば良かったですね。」
「懸念はしていたんですよ…?宇髄様に意気揚々と悪気なく伝えるのではないか?って。」
「まさか本当にそうなるとは思わず…ほの花様の鈍感さを見くびってました。申し訳ありません。」
そう言って深々と頭を下げる三人だが、どう考えてもコイツらは悪くない。
頭を上げさせると俺たちは男四人でそれぞれ深いため息を吐き合った。
一人の女に振り回される俺たちは同じ釜の飯を食う同志のようなものだ。