第4章 繋がり
合図と共に加茂が動く。
「――ひっ!」
香久夜が反射的に後ろへ飛ぶ。
次の瞬間。
呪力を纏った攻撃が、さっきまで香久夜が立っていた場所を通り抜けた。
「怖……!」
「!」
五条の声が飛ぶ。
「止まらない!」
「えっ」
「逃げるだけじゃ捕まるよ!」
香久夜は慌てて走る。
「右!」
「右……!」
「違う、そっちじゃない!」
「えっ!?」
加茂の攻撃が目の前を掠めた。
「ひゃっ……!」
「前!」
「前!?」
香久夜が咄嗟に踏み込む。
加茂の攻撃を紙一重で避けた。
「そう!」
五条の声が響く。
「ねぇ、それありなの?」
真衣がふてぶてしく五条にきいた。
「なぁに、は戦闘は完全に初心者だよ?
これくらいのハンデはあってもいいでしょ」
「ふーん。」
「ほら!相手の手ばっかり見ない!」
「じゃあどこ見たら、!!!」
「足と胴体!!」
五条は続ける。
「……!」
香久夜が顔を上げる。
加茂が構える。
その姿だけを見ていた。
けれど。
「周りも見て!」
五条が叫ぶ。
「、ここどこ!?」
「……え?」
焦った頭に恵の声が聞こえた。
「山みたいな場所だろ!」
恵の声に香久夜の目が動いた。
木。
岩。
斜面。
足元の土。
「……」
私の14年間を思い出した。
木の根を避けて歩いた。
斜面なら、どこが崩れやすいか分かった。
雨の後なら、どこが滑るのか知っていた。
自然は、いつも私の味方だった。