• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

呪術回戦ー八月の忌み子ー

第9章 かぐや姫の物語



「平気、ですか」


七海は小さく息を吐き、静かな歩調で恵へと近づいた。


「伏黒くん。私は大人であり、あなた方の保護者としてここにいます。ですから、あえて厳しいことを言います」


恵の目の前で立ち止まり、眼鏡の奥の鋭い光で彼を射抜く。


「あなたが背負おうとしているものは、一人の少年が抱えるにはあまりにも重く、そして毒になり得るものです。

…彼女の呪力が、あなたを侵食している。違いますか」


「……っ」


恵の息が詰まる。七海にはすべて見抜かれているのだと悟り、唇を噛みしめた。

実際、呪力量は底上げされ、いつもより力が出る感じがした。でも、そのあまりにも多い量に扱い方がわからず、コントロールがうまくいかなくなってる焦りを、任務のときに感じていた。

前回はただただ訓練で暴れればよかったけれど、これじゃあ実戦じゃ使えない。


「もっと、練習します。」

「努力でどうにかしようとする姿勢は評価しますが、」

七海は雨の落ちる空を見上げ、低く呟いた。


「……伏黒くん。あなたが彼女を想う気持ちも、守りたいという強い意志も否定はしません。

ですが、己の器を超えた力を受け入れ続けることは、誠実さではなくただの自傷行為です。あなたが壊れれば、彼女は一生その罪を背負うことになる」



その言葉に、恵の眉間がゆれた。


/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp