第8章 姫の呪い
「……淫乱」
「ち、ちが…っ」
あまりにも酷い言い草と、見られた混乱と羞恥心が一度に押し寄せて、香久夜の瞳からぽろぽろと涙が溢れ出した。
「め。恵くんのせいだもん、っ 恵くんがいっつも、ドキドキさせるから…っ!」
「……っ」
泣きじゃくりながらの、あまりにも無防備で真っ直ぐな告白。
見られた恥ずかしさで真っ赤になった顔も、涙で濡れた瞳も、自分を責め立てる甘い声も——そのすべてが、恵の中にくすぶっていた「加減しなきゃいけない」という自制心を粉々に打ち砕いた。
焦燥と独占欲に満ちた熱い息が香久夜の首筋に吹きかかる。
「……俺のせい、ね」
手首を掴む手に力がこもり、逃げ場を完全に失わせるように、恵は香久夜の身体へと自らの体温を容赦なく押し当てた。
「あ、あたって、」
「当ててんだよ。じゃあ、最後まで俺のせいにしろよ。……もう、絶対に途中でやめてやんねぇから」
覆いかぶさる彼の腕の中で、香久夜は恥ずかしさに震えながらも、その言葉にどこか期待を抱いてしまった。