第7章 葛藤
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タコスパーティも終わり、狗巻が持参したボードゲームも遊び尽くしたころ、真希、パンダ、棘の3人はアイスを買いにコンビニへと出かけた。
残された3人は楽しい時間に荒れ散らかったテーブルを片付ける。
ふと、香久夜はテーブルの前のソファに目をやる。
『せんせっ、、!もっと…っ!』
『…』
昨晩、自分を見失うほど善がった自分の姿と、私の名前を呼ぶ五条先生の声。
思い出して、耳もとが妙に熱くなって、むずむずした。動揺を隠すように耳にかけた髪を下ろす。
昨日の熱が今は嘘みたいに引いていて、あんなにおかしくなったのは嘘だったんじゃないかとすら思う。自分の体の変化に、頭が追いついていかなかった。
少し口を紡いでテーブルに視線を落とす香久夜に乙骨が口を開く。
「ちゃん、君と、あんまりちゃんと二人で話したこと、なかったけど、」
いつのまにか恵の姿は消えていて、部屋には二人だけだった。
「僕も、僕はね、最初は周りの全てが怖くて、自分の殻に閉じこもってたんだ。誰かを、また呪ってしまうなら、いっそのこと死んだ方がいいって思ってた。」
乙骨の告白に香久夜は目を見開いた。
「でもね、高専に来て……真希さんやみんなが、僕に居場所の作り方を教えてくれて、居場所に、なってくれたんだ。」
乙骨は思い出話を話すように優しい顔でそう続ける。
「とくに、狗巻くんも僕たちと似た境遇で、誰かを呪う怖さを分かってくれて、隣にいてくれた。だから僕も……同じ痛みを抱えている君に、あの時もらった優しさを返したいんだ」
乙骨は香久夜の目をまっすぐに見つめ返し、柔らかく、けれど力強い声で言葉を紡いだ。
「呪われたこの体を、誰よりも呪ったのは……僕たち自身で」
その言葉は、香久夜の胸の奥の一番深い傷跡に響く。
「だから、みんなね、最初から自分の力を上手く扱えたわけじゃないんだ。でもいつか、誰かのためにその力を使えたら、ちゃん自身が、ちゃんの1番の味方になってあげられる。」
…私が、私の、味方?
父を、母を、両親を殺して…、恵くんを呪った私が…?