第6章 満月の夜
「んんっ、やだ、ぁ…っ」
形をなぞるように、その発育のいい胸を左手で包み、首筋に唇を這わせ、人差し指も中指で揉むように香久夜の下の口をいじられる。
溢れ出る快感に震えながらも、唇を噛み締め、絶対に口を開かない香久夜の頑固さ。
「僕も優しくしたいのに、が本当のことを言ってくれないと、守るにも守れないんだよなぁ〜」
そう言って、彼女の陰核をいじると、香久夜は甘い声をあげた。
「ぁあ…っ!ごめんなぁ…っさっ、」
腰を逸らしても謝るだけで口は割らない香久夜。
それを見下ろしていた五条の頭脳で、先ほどまで燃え上がっていた苛立ちの熱が、拍子抜けするほどすうっと冷めていくのを感じた。
(……はぁ。本当に、どうしようもないくらい頑固だな)
どんなに追い詰めても、どれだけ快感で頭を真っ白にさせてやっても、彼女がその秘密の扉を固く閉ざして譲らないこと。そして、そんな痛々しいほどの頑なさが、この上なく愛おしく、同時に無性に腹立たしいこと。
五条の唇から、小さく呆れたような吐息が漏れた。これ以上、この小さな教え子を追い詰めて問い詰めるのは、大人げないを通り越して無駄だと悟ったのだ。
「……もういいよ。分かった、僕の負け」
責め立てていた指の動きを止め、五条は乱れた前髪をガシガシと掻き毟りながら、自嘲気味に笑った。
「言いたくないなら一生黙ってな。……その代わり、今夜の満月の熱、誰が抜いてるのかちゃんと見て」
五条は深呼吸を一つ挟み、探りを入れ、追い詰めるための愛撫はそこまでにした。
口付けをして、流れ込んでくる呪力を相殺することだけに専念し始める。
同時に溢れ出る蜜に引き寄せられるまま、日本の指を中に入れ、第二関節をおる。
「あっ、…!せんせ、イっちゃ、っんんっ!」
その瞬間、香久夜の頭は明滅し、膝を抱えるように曲げ、全身に快感が走り抜けた。
五条に入り込む呪力もその瞬間に濃度が上がり、五条の呼吸をわずかに乱す。
「…はぁ、っ、ははっ、これはキまるな」
唇を離し、体内を巡る薬効を確かめるように深く息を吸い込むと、肺の底から甘い熱が立ち上る。
五条は乾いた笑いをひとつあげ、恍惚感を振り払うために頭を揺らした。
前髪から覗く瞳孔が少しずつ開いていた。