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呪術回戦ー八月の忌み子ー

第6章 満月の夜


ーー

熱い。全身が、内側から溶けて火に炙られているみたいだった。


「あ……っ……恵……くん……あつ……助け……て……っ」


暗い部屋の中で、私は自分の呼吸の音すら熱く感じていた。
祥子さんの反転術式のおかげで、京都の男たちにつけられた痛々しい傷は消えていた。けれど、私の体内で暴れ狂う膨大な呪力は、私という容器を内側から破壊しようと、恐ろしい熱となって荒れ狂っている。

視界がグラグラと揺れる。

京都のあの暗い空間で、男たちに押さえつけられ、力任せに傷つけられた恐怖が脳裏にこびりついて離れない。怖い、恐ろしい、息ができない——。


「ハル……俺だ。ここにいる」


その時、暗闇を破って、大好きな声が聞こえた。

汗ばむ私の手に、温かくて固い大きな手が重ねられる。
 恵くんだ。

「恵……くん……? 熱いの……服が、触ると痛いの……っ」


恵くんの顔を見た瞬間、私の中で何かが弾けた。
皮膚に触れる薄手のシャツの生地すら、内側からくすぐられているような疼きが止まらなかった。私は震える指先で、着せられていたシャツのボタンを力任せに引きちぎった。



「おい、ハル……! やめろ、何をして——」

「恵くん……触って……お願い……恵くんの肌がいい……っ」



恵くんの綺麗な黒い瞳が動揺に揺れていた。
でも、私はもう待てなかった。服なんていらない。恵くんの生の肌に触れたい。恵くんの冷たくて心地よい体温で、私の中の恐ろしい火を消してほしい。


私は無我夢中で恵くんの腕を掴み、ベッドの上へと引きずり倒した。


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