第5章 暴走
「もう……! ちゃん、お願いだから男の人にそんなこと言っちゃダメだよ!?」
三輪が必死の形相で香久夜の両手を握りしめる。
「東堂先輩はともかく! 伏黒くんとか、五条先生とか……特に五条先生みたいな大人の男の人にそんな天然なこと言ったら、一発で食べられちゃうんだからね!?」
「た、食べられちゃう……? 私、美味しくないですよ……?」
「そういう意味じゃないのよ!!」
首を傾げる香久夜の無知さに、真依が頭を抱えた。
「はぁ……本当、あんたは無防備すぎるのよ。恵だって、朝からずっとアンタのことギラギラした目で見つめてたじゃない。あんた、本当はあいつのこと、どう思ってるの?」
「め、恵くん……?」
恵の名前を出された瞬間、香久夜の頬がぽっと熱く熟したりんごのように赤く染まった。
「……恵くんは、手がすごく大きくて、温かくて……。今朝、ベッドで抱きしめられたとき……胸の奥がギュッてなって、息ができなくなりました。……恵くんに触れられると、自分が自分じゃなくなっちゃいそうで……怖いくらいなんです」
「きゃあぁぁぁぁ!! 本命は伏黒くんだーーーっ!!」
三輪が悶絶してテーブルに突伏し、西宮が「ベッドってなに?!」と頭を抱える。真依も甘酸っぱい後輩の初恋に、ふっと優しい笑みをこぼした。
「……まったく。恵のやつ、こんな可愛い子を独占して……贅沢ね」
「うん! 私、全力でちゃんと伏黒くんの恋を応援する! 五条先生とか京都の意地悪な大人たちから、絶対にを守るからね!」
「三輪さん……! 真依さんも、桃さんも……っ」
香久夜の瞳に、温かい涙が溢れそうになる。
「私……先輩たちに会えて、本当によかったです」
幸せそうに笑う香久夜を囲み、京都ガールズたちは「もう、本当にかわいいんだから!」と代わる代わる香久夜を抱きしめ、頭を撫で回すのだった——。