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呪術回戦ー八月の忌み子ー

第4章 繋がり


「?」

五条の声が少しだけ低くなる。
香久夜は自分でも驚いたように、頬へ触れた。

指先が濡れている。

「……ごめんなさい」
「何で謝るの」
「分からない……」

涙は止まらなかった。
悲しいわけではない。
怖いわけでもない。

ただ、目の前の青を見ていると、胸の奥に閉じ込めていた何かが、静かにほどけていく。

「先生の目……」

香久夜は涙を拭いながら、なおも六眼から目を逸らせなかった。


「初めて見たのに、ずっと前から知ってたみたい。それに、ずっと探してた気がする」
「僕を?」

「分からない。でも、ずっと誰かに見つけてほしかったの、かもしれません」



五条は、六眼を見て驚かれることには慣れていた。目を逸らせなくなることにも、美しいと言われることにも。

けれど、泣かれたことはなかった。

五条は香久夜を見つめ、いつもの調子で、少しだけ優しく笑った。

「……そっか。うん、見つけたよ。のこと」

香久夜の目から、また一粒涙が落ちる。

「……うん」
「ハルのこと、ちゃんと見つけたから」

その溢れた一粒を五条は親指で掬い、口元にあてた。

「…」

少し、考えたような顔。

「…せんせ?」
「ん、あぁ、ごめん。」


「…大丈夫か」

恵が心配そうに見つめる。
東堂は六眼と香久夜を交互に見ていた。

「……何だ、今のは」
「さあね」

五条は肩をすくめる。

「僕にもまだ分からない」



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