第15章 青の日々 (及川徹)
2日目。男だらけの部屋で目を覚ます。
「岩ちゃん起きて、朝練いくよ」
「ん、はよ…おいかわ。」
「おはよ。眠れた?」
「ん…着替える…。」
岩ちゃんは昔から朝が弱い。声かけるとすぐ起きてくれるけど声掛けないと永遠寝てると思う。
体育館前に集合すると既にちゃんが立っていた。ストップウォッチを首から下げてノートを手にしている。いかにもマネージャーって感じ。
「おはようちゃん」
『あ、及川おはよう。昨日はありがと。』
「あれくらい全然だよ。よく眠れた?」
『うん、おかげさまで。』
振った男に見つめられながらよく眠れただなんて酷なこと言うなーとか思うけどでも好きなんだよなぁ。寝起きも可愛いし。なんなら寝顔もピカイチに可愛かったし。手出さなかった俺を褒めて欲しい。
「はよー。はえーな。」
『おはよう岩泉。こういうのって何分前に来ればいいのかよく分かんなくて。選手より先にいた方がいいのかなーとか。』
「お前頼まれてる側なんだからよ、んな考えなくていいだろ。」
『いやでも一応マネージャーだし…』
「じゃあまあ俺たち1年と同じくらいのタイミングでいんじゃねえの。5分ちょい前とか。あんま気負わなくていいべ。」
『明日はそーする。ありがと。』
ちゃんなりの気遣いになんだかきゅんとくる。この5日間は俺たちのマネージャーでいようと一生懸命考えてくれてることがたまらなく愛おしい。
ぞろぞろと集まりだして朝の走り込みが始まる。ちゃんの立っているところまで行ってスタート位置に帰ってくる。それを5セット。インターバルを挟んでまた5セット。
溝口くんの合図で一斉にスタート。
「及川おい!とばしすぎんな!」
後ろに聞こえる岩ちゃんの声。だって折り返しまでいけばちゃんに会えるんだよ!そりゃあ飛ばすって!それに1番速くてカッコイイって思ってもらいたいし!