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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第15章 青の日々 (及川徹)



始めて入るマネちゃんたち専用の更衣室。俺たちが使ってる部室なんかよりずっと綺麗だ。汗の匂いなんて微塵もしないし埃もない。俺たちだって部室は綺麗に使えって厳しく言われてるから汚いわけじゃないんだけど…やっぱ女の子たちはすごいなぁ。

「え、あれ、なんか布団も綺麗じゃない?布団てゆうか簡易ベッドじゃん、すご。」

『ここのスイッチ入れると空気が入って膨らむんだって。買ったきり使ってないからって溝口さんが持ってきてくれたの。』

「溝口くんが?へぇ、案外気利くじゃん」

『布団もわざわざ新しいの用意してくれたみたいなの。』

「女マネなんてきっと初めてだからねぇ。今のところは不便してない?大丈夫?」

『うん、先輩方優しいし。部屋も綺麗だし。みんなに迷惑かけないようにお手伝い頑張るね。』

「何かあればいつでも俺を頼って」

『うん、頼りにしてるね及川』

ずきゅーん。可愛い。
頼りにしてるって俺の事ぉお!!

「そ、ろそろ…寝ますか?」

『そうだね。』

時計を見てベッドに潜り込んだ彼女が小さくあくびをした。慣れないことをして俺たちをサポートしてくれたんだもん、そりゃあ疲れたよなあ。

「今日は1日ありがと。また明日からもあるけど…初めてとは思えないくらいの動きで助かったよ。」

『ほんと?そう言って貰えると嬉しいもんだね。明日からも宜しくお願いします。』

「こちらこそだよ。じゃあ眠るまでここに居るね。」

『ありがと。おやすみ及川。』

「おやすみちゃん。」

俺の方を向いたまま布団を被って目を瞑る彼女。警戒心がまるでない。振った男目の前にして…もう少し意識してくれてもいんじゃないの。俺まだ全然好きだよ。むしろ今の方が好き。明日の方がもっともっと好きになる。大好きなんだよ。

規則正しい小さな寝息がスー、スー、と聞こえてきた。ほんとに寝ちゃったんだ…俺もそろそろ戻ろうかな。もう少しこの寝顔を見てたいけど。岩ちゃんにバレたらゲンコツ食らわされるし…。

名残惜しさを感じながらそっと髪を撫でて部屋をあとにした。
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