第15章 青の日々 (及川徹)
高校に入って初めての長期合宿1日目。思ったよりきつい。いつもよりだいぶ早く瞼が落ちてくる。消灯と同時くらいには多分落ちてた。
…いま、なんじ…?
いつもより早く眠りについたせいか変な時間に目が覚めた。俺の隣には岩ちゃんが眠ってる。寝てる時はなんか可愛い顔してるんだよな岩ちゃんて。
あー…なんか喉乾いたかも。
小銭を手に校舎の外に出て自販機に向かうと、明かりの前に立つ女の人が1人。
「え……ちゃん?」
『…及川?』
「良かったあってた…」
『幽霊だと思った?』
「さすがに見間違えないけど…夜の学校怖くてさ」
振り返ったその子はやっぱり俺の大好きな女の子で、恐怖なんかすっ飛んでった。夜中のちゃんもかぁわいい。中学の修学旅行でお風呂上がりをチラッと見たことあったけどあれも可愛かったなあ。
『そっち皆いるからいいじゃん私1人だよ…。』
「え、嘘でしょ。怖くないの」
『怖いに決まってる。帰りたい。』
「あと4日あるけど…」
『そうだよね。困ったな。』
こんな暗い校舎で一人部屋とか…俺なら頭おかしくなる。怖すぎるでしょ。何も考えずにぐっすり寝れるの岩ちゃんくらいじゃない!?
「どこで寝てるの?」
『部室棟の1階。マネージャーが着替えたりする部屋あるでしょ?あの部屋だけ綺麗だからって先生が。』
「あーなるほど。たしかに綺麗そう。」
女マネちゃんたちが着替えでしか使わない部屋だからさすがに入ったことはないけど綺麗そうだよねー。でも怖いことに変わりはないでしょ…可哀想だよ…。
「あ、俺…で良ければちゃんが眠るまで一緒にいようか?」
『え』
「いや、ごめん!さすがにキモイよね…!!」
『いや、そうしてくれるなら助かる…ほんとに怖くて。』
「うぇ、あ…うぃっす!喜んで…っ」
なっっにこれ!役得すぎない!?
ちゃんからしたら本当に怖いだけで俺のことを意識してないのは重々承知なんだけど…!!