第15章 青の日々 (及川徹)
ちゃんのお仕事は主にスコア表の記入とかドリンクの準備とかタオル渡してくれたりとか。普通にマネージャーって感じ。
「なんでちゃんに頼んだの」
「あ?だからそれはさっき…」
「違くて。まだ他に理由あるでしょ」
「…目の届く範囲にいてくれた方が俺もお前も、あいつにとってもいいだろ。もう何かあってからじゃ遅いからな。」
「そういうことね。ありがとう岩ちゃん。正直5日間会えないのは寂しいっていうのもあったけどそういう不安もあったんだ。だから今俺すごい安心してる。ありがと。」
「別に感謝されるようなことしてねぇよ。元はと言えば俺にだって責任あるしな。」
多分岩ちゃんはまだあの日のことを後悔してる。自分のせいでって思ってる。俺が何言ったって変わらないと思う。だから俺ももう何も言わないけどこうやって行動に移してくれるところが岩ちゃんだなって感じ。
『及川〜』
「はーい!なあに!」
『さっきの紅白戦のスコアなんだけどこういうときってさ…』
ちゃんが誰よりも先に俺に頼ってくれてる…嬉しくて泣きそう…。
『ねえ聞いてる?』
「き、きいてる…!!」
『えっとこれなんだけどね。こういうときは及川がいた方のチームに点が入るでいいんだよね?』
「うん合ってる!スコアつけるなんて難しいのにありがとうね。」
丁寧に記されたスコア表に視線が釘付けになる。綺麗な字。あぁやっぱり好きだな。なんだか夢みたい。ちゃんがマネージャーならって何度思い描いたか分からないよ。
『岩泉に頼まれたあと自分なりに少しだけど勉強してみた。それになんか強豪のマネージャーって全女子の憧れだしね。』
「ちゃんもそういうの興味あったの?」
『まあ私も普通の女の子なので。人並みに青春とか…興味あるよ。』
普段そんな話はあまりしないからなんだか少し意外だな。仕方なく引き受けたんじゃないかな、とか思ってたから。
でもたしかにほんの少しだけど楽しそうに笑ってる。青春なら、俺があげられるよ。部活も恋も、なんだってあげられる。だから傍にいさせてくれないかな。