第15章 青の日々 (及川徹)
部活終わり、隣を歩くちゃんと一緒に帰るのが当たり前みたいになってきた頃。
『あのさ、やっぱり明日から一人で帰るよ。』
「え、なんで」
『なんでって…部活後疲れた及川に毎日送って貰って私もさすがに罪悪感ていうか。』
俯いたまま俺の方を見ようとしない彼女。
今更そんなこと気にしないでほしいんだけどな。
「俺がしたくてしてるんだよ?一緒にいたいだけ。疲れなんてちゃんと並んで歩けるだけで全部飛んでく。」
『……』
「ほんとだよ?」
『及川は…優しいね』
「え、なになにちょっと!誰にでもじゃないからね!?ちゃんじゃなかったらこんな事しない!」
分かってるよ、と笑うちゃん。
『ありがとう』
「お礼なんていいよ。ほんとに俺がしたくてしてるだけ。一緒にいたい。俺の事だけ頼って欲しいって思ってる。全部俺のため。優しくなんてない。」
優しくなんかないんだよ。
ほんとに全部自分のため。
このまま一緒に過ごすうちに俺の事好きにならないかなって思ってるんだから。守りたいのも本当。でも下心だってそりゃ…あるよ。好きな子だもん。
『ううん、私は及川がいてくれて助かってる。好意を利用するみたいになって申し訳ないとも思ってる。ごめんね。』
最近のちゃんはずっと弱ってるように見える。あの日を境に元気がない。まあ、そりゃそうなんだけど…あんなことがあって元気でいられるわけないんだけどさぁ…なんか違うんだよ。
「ちゃんあのさ」
『うん?』
「好きだよ、大好き。」
『うん、知ってる』
「俺の彼女になってくれませんか」
告白するのは初めてじゃない。
何回伝えたかなんて覚えてないくらいだよ。
『…彼女にはなれないよ』
「今日もだめかぁ…笑」
『及川には私なんかよりいい人が見つかるよ。こんな可愛げ無い私じゃなくてさ。』
「でも俺はちゃんが好き。一番可愛い。諦めない。絶対に俺の事好きって言わせてみせるよ。」
『そっか、頑張って及川』
自信なんてない。
隣にいられる理由が欲しいだけ。
諦めたくない。諦められない。それでもこんなに苦しいのはきっと、初めてはっきり"彼女にはなれない"と言われたから。