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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



「とき、ちちうえとあにうえといっしょに、かたまでつかってひゃく、かぞえてくるね」
「よく温まるのは大事だけど、のぼせないように気を付けてね」
「うん」

凪が素直に光秀へ子供達の事をお願いすると、男が頷いて息子二人へ声をかけた。そうすると光臣、光鴇がそれぞれ凪へ振り返る。バスルームまで見送る事にした凪が脱衣所へと踏み入れた幼子へ言い聞かせると、こくりと頷いて同意を示した。真っ白で清潔な脱衣場にはドライヤーやヘアケア用品などの各種アメニティ、バスタオルやフェイスタオル、幼子用に簡易シャンプーハットまで用意されている。光秀ならば使い方も問題ないだろうと見回した後、凪が部屋へ戻ろうと身を翻した。それと同時、しっとりとした男の声が鼓膜を揺らす。

「凪」
「……?何か分からない事ありました?」

足を止めて凪が振り返った。何かバスルームの操作で不明点でもあっただろうかと考えていると、光秀が少し意地悪な様で金色の双眸を眇め、口角を緩く持ち上げる。

「一人で居るのが寂しくなったら、いつでも来るといい」
「!!?」

妙に色気のこもった声色で誘うように紡がれ、凪の頬が熱を帯びた。羽織を脱ぎ、着流しの帯を緩めている途中である所為で光秀の均整の取れた体躯が露わになっているのを目にすると、凪がぎょっと目を丸くする。気合い充分とばかりに羽織や着流しをすぱっと脱ぎ、既に裸になっている光鴇がきょとんとした様子で首を傾げた。

「……?ははうえもいっしょにゆあみ、するの?」
「さて、それは母次第といったところだ」

意味深でしかない流し目を送って来る男に対し、凪が唇を羞恥故に引き結ぶ。いつもの母いじめが始まったなと達観した感覚で苦笑した光臣が、弟の脱ぎ散らかした着流しや帯を拾って畳み直し、籠へと収めている傍らで、凪が眉根を軽く寄せながら告げた。

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