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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



「日中食べたあいすとやらとは全然違う味わいですね。食感も不思議で美味しいです」
「とき、ぷりんすき」
「プリンは定番のおやつだからね」
「くず餅のようなものかと思ったが、どうやら違うらしいな」
「もっと柔らかいですよ。臣くん、光秀さんにも一口あげてくれる?」
「いいですよ、父上どうぞ」

プリンを気に入ったらしい二人へ凪がほっこりした心地になっていると、光秀が子供達の食べているデザートへ視線を向けて呟く。プリンの何とも言えない食感は実際に食べてみないと中々理解出来まい。そう考えた凪が光臣へ向き直り、父に一口あげるよう頼む。当然厭う事のない少年が一口分をスプーンですくうと、光秀に向かって差し出した。

「俺より先に母へ食べさせてやるといい」
「私は大丈夫ですよ、光秀さんが……」
「では母上がお先にどうぞ。父上がこう仰る限り、恐らく食べてはもらえないでしょうし」
「う……一理ある」

自分より先に凪を優先するという光秀の性格は、息子である光臣もよく分かっている。父へと差し出していたスプーンを凪の方へと向け直し、口元へ近付けた。納得せざるを得ない息子の物言いに小さく呻き、プリンを一口頬張る。甘すぎない絶妙な具合のクリームがプリンの味とよく合う上、プリンそのものも実に濃厚な味わいだ。人気商品だというのも納得出来る。

「ふふ、美味しいね」
「はい。上に乗っている白いものと一緒に食べると、程よい甘さでちょうどいいです」
「その白いの、クリームっていうんだよ」
「むっ、ときもははうえにあーん、するっ」

兄と母が目の前で笑い合っている様を目にすると、スプーン片手に再びむっすりした光鴇がいそいそと自分も一口分をすくって持ち上げた。ちらりと正面に座っている光秀を一瞥した後、凪が妙案とばかりに唇に笑みを乗せつつ首を傾げる。

「私は臣くんからもらったから、鴇くんは光秀さんにあーんってしてくれるかな?」
「わかった!ちちうえ、あーんってして?」

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