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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



紙袋と巾着を手にした状態の凪がスマホを取り出し、ホテルで見たパンフレットのとあるページに掲載されていた店を検索する。検索サーチのトップにすぐ出て来た店名のページをタップすると、パンフレットで見た店である事を確認した。

(光秀さん達が居ない間に済ませちゃおう。勘が良いからすぐ気付かれちゃうもんね……)

ホテルでパンフレットを見ていた時から、既に何事か企んでいる事はお見通しであっただろうが、幸いなのは光秀がまだこの五百後の世を完全に把握していないという点だ。それだけにおいて唯一のアドバンテージを持っている凪が、誕生日当日に少しでも喜んでもらおうと画策しているという訳である。

(確実なのは予約だよね。まずは電話して、明日用意出来るか訊いてみよう)

店に繋がる電話番号の欄を押し、コールを入れる。そうして光秀達がいつ戻って来るかと若干ひやひやしながら通話を終えると、切話ボタンをタップした。そうして挙動不審だと分かりつつも周囲を見回し、光秀達が戻って来ていない事を確認して安堵の溜息を漏らす。

(良かった……まだ三人とも戻って来てないみたい。でもこれで私の用意は完璧だ!明日が楽しみだなあ)

無事極秘でミッションをこなした心地になった凪が、何処となく浮足立った様子でスマホを巾着に仕舞う。そうして行き交う人々を何気なしに見回していると、不意に彼女の傍へ四人組の大学生と思わしき男達が近付いて来た。この後はデパートで明日着ていく洋服を買いに行く予定となっている。どんな服にしようかと考えを巡らせていると、唐突に横から彼女へ声がかかった。

「お姉さん、もしかして彼氏に待ち合わせドタキャンされた?」
「ほら見ろ、絶対可愛いって言っただろ。少し年上なくらいがいいって」

(鴇くん間に合ったかなあ……)

が、自分に声をかけられているとは微塵も思っていない凪は、我が子が無事間に合ったのかという点を案じていた。まるで反応の無い彼女へ男達が顔を見合わせると、通路を挟んで正面側にある公衆トイレを隠すように回り込んで立ち、顔を覗き込んで来る。

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