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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



京都という事もあってか、簪や帯留め、イヤリングやピアス、ネックレスに指輪など、女心をくすぐる品々が沢山だ。

思わず凪が感嘆の声を上げると、光鴇が光り輝く店内を見回して目を丸くする。乱世で見かけるビードロとはまるで異なる精巧な品々を興味深そうに見つめ、光臣が心底感心した様子で零した。数度現代へやって来た事のある光秀もまた、訪れた事のない初めての場所へ仄かな驚きを見せている。

「あ、体験コーナーの受付済ませちゃいますね」
「とき、このきらきら、みてる」
「じゃあ光秀さん、鴇くんの事少しお願いします」
「ああ」
「では俺が母上について参ります」
「ありがと、臣くん」

凪と手を繋いでいた光鴇が、光秀の元まで向かって手をきゅっと繋いだ。幼子の視線は、目の前にあるデフォルメされた龍の硝子の置物に釘付けである。父が頷いたのを見た後、光臣が凪の元まで近付いて行った。そうして母子二人揃って奥にある受付カウンターの方まで向かうと、早速申し込みを始める。

「ちちうえ、ちまき、いた!かわいい」
「愛らしいな。こっちにはお前によく似ているのがいるぞ」
「ときににてる?どれ?」
「仔栗鼠だ」

凪と光臣が受付カウンターで申し込みをしているその一方、残された父と次男が相変わらず陳列棚の上を眺めていた。動物コーナーらしいそこには実在空想問わず、様々な生き物がデフォルメされたものが飾られている。透明な狐の硝子細工を見て、ちまきを思い出した幼子が背伸びをした。視線を滑らせ、光秀が端に飾られているものを目にすると、口元を綻ばせる。光鴇を抱き上げ、よく見えるようにしてやった後、片手で小さな栗鼠を指した。

「こりす、かわいい!どんぐりもある」
「随分と凝った作りのようだ。腕の良い職人が居るんだろう」

栗鼠の傍には硝子で出来た木が飾られており、傍には小さなどんぐりが転がっている。他にも見知っている動物から見知らぬ動物まで、様々なものが置かれていた。

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