❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国
第4章 掌中の珠 前編
対象年齢も保護者同伴であれば四歳から可と書かれており、製作所要時間も二時間程とお手頃だ。
「これはびーどろの見世か」
「きらきらきれい!これ、たべれる?」
「硝子は食べられないかなあ。でも凄く綺麗だね、硝子細工とかパーツ……えーと、部品を自分で組み合わせたり、蜻蛉玉を自分で作ったりとか出来るみたいだよ」
光臣が硝子細工に興味を示した事が少々意外だったのか、光秀が微かに眸を瞬かせた。写真に写っている硝子細工はどれも目を惹く程に美しいものばかりであり、乱世には存在しない輝きがある。まるで宝石の如くきらきらしたそれを目にし、光鴇が首を傾げて問いかけて来た。基本、珍しいものは食べられるか否かで判断する幼子に対し、凪がそっと否定してあげた後で説明書きを読んだ。
「せっかく五百年後の世に来たのであれば、乱世では出来ない体験がしてみたいので」
「とき、やりたい!」
「仔栗鼠はすっかり乗り気だな」
確かに硝子細工造りなど、乱世では絶対に出来ない体験だろう。物珍しいそれに興味津々の光鴇が明るい声を上げると、特に反対する様子もなく光秀が笑った。定休日や飛び入り参加可である事を確認して、凪が隣に座る光秀を振り仰ぐ。
「じゃあまず最初に行くのはここでもいいですか?場所もホテル……えっと、宿から割と近いですし」
「ああ、構わない」
「ありがとうございます。鴇は何処に行ってみたいんだ?」
そんな訳で光臣たっての希望で、まずは硝子細工造り体験へ向かう事が決定した。凪がスマホを取り出し、パンフレットのページの写真を撮る。地図アプリに目的地をメモしておいた後で、ディスプレイを一度切った。隣では兄が弟へ行きたい場所を訊ねており、ぱっと表情を輝かせた幼子がページをぱらぱらとめくって色んな場所を指差す。
「とき、こことあとここ、あとこことここも!」
「興味を向ける先が多様で何よりだな」
「凄くポジティブに見ると確かにそうなんですけど、ちょっと二日じゃ無理かなあ……」