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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



足元がやたらファンシーな印象強めであるが、それもまたギャップと言うべきか。光秀が自分と光鴇の分を収め、光臣もそれに倣った後で扉を閉める。

「鴇くん、スリッパで転ばないよう気を付けてね」
「うん、すりっぱ、へいき」

パタパタと覚束ない足取りながらも子供用の小さなスリッパのまま室内を歩く光鴇を気遣いつつ、凪が手を繋いで大きなL字型のソファーがある場所まで向かった。ロイヤルスイートと名がつくだけあり、入り口を入ってすぐ見事なシティビューが広がっている。磨き上げられた窓が外側の壁として一面に張り巡らされているお陰で、京都の風情あふれる街並みが一望出来る仕様という訳だ。

恐らく海外ブランドものであろう如何にも高級感溢れるソファーは柔らかなクリーム色であり、その前には硝子天板のローテーブルが置かれている。他にもバーカウンターや壁面モニターテレビとスピーカー、キッチンが完備されており、実に至れり尽くせりな仕様となっていた。バストイレも高級感溢れる造りであり、シャワーブースと巨大ジャグジーが別でついている上、サウナルームまである。寝室は隣り合って二部屋あり、一部屋ずつクイーンサイズのベッドやサイドボードなどが設置されていた。

ひとまず乱世から持ち込んだ荷物をクローゼットの中に収めて、必要なものが入っている巾着だけを取り出すとソファーの上に置く。キッチンに用意されている茶器や茶葉は自由に使っていいと説明されている為、早速茶を煎れようと電気ケトルにミネラルウォーターを入れた。

「ここまで来る途中に乗った小さな部屋……えれべーたーとやらのお陰でこんなに高いところまで来ていたのですね」
「安土城の天主とまではいかないが、中々の高さだな」

凪が茶の用意をしている傍ら、窓際に向かった光臣と光秀が眼下に広がる景色を眺めていた。光秀は以前もこうして高所から京都の街並みを眺めた事があるが、あれからそれなりに月日が経っている。景観にも変化が生じているとあって興を惹かれたのだろう。

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