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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



「へえ……あいすとやらは氷みたいに溶けるものなのですね」

アイスクリーム初体験の息子達が、溶けると耳にして視線をそれぞれ目の前に置かれた甘味へ向けた。光臣の抹茶と黒蜜ときなこのクリームあんみつは、丸みを帯びた白木の器に角切りの寒天と黄桃や蜜柑などの果物が添えられ、そこに黒蜜ときなこがかかった白玉と、艷やかな粒餡、そして抹茶味のアイスクリームが乗っている。飾りとして千代紙で作った鶴がトレーの上に置かれており、実に写真映えしそうな和スイーツだ。

(臣くん、何気に小さい頃からあんこ好きで意外と甘党だもんね。あんまり表情には出さないけど、目がきらきらしてる。可愛い……)

光秀をそのまま幼くしたような風貌の所為で、見た目も中身もかなり大人びている印象の光臣だが、意外と食の好みは子供らしいのである。朝餉の席にだし巻き卵があると、ひっそり嬉しそうにして最後まで取っておいている事を知っているのは家族だけの秘密だ。

「ちちうえ、これおててでたべる?」
「それは無理というものだ。匙で上手にすくってお食べ」
「わかった。とき、じょうずにたべる」
「まあ待て、これをつけておくといい。着物を汚さずに済む」

正面の席では光鴇が果敢にもミニパフェへ素手で挑もうとしていた。手を紅葉のように開いた状態で父に見せた幼子へ、光秀がトレーの上にあるパフェ用のスプーンを指し示す。コンセプトに合わせているのか、食器もすべて木製であるそれ等は眺めているだけでも可愛くて癒やされる。スプーンを持ち、気合いを入れた光鴇へ声をかけた光秀が袂から手拭いを取り出すとエプロンのように首へ回してかけてやった。

「ありがと、ちちうえ!」
「ああ、団子を詰まらせないよう気を付ける事だ」
「うん!」

光鴇の黒蜜と抹茶の幸せ白玉ぱふぇ(小)は通常のパフェグラスの半分程の大きさであり、中には最下層から順に玄米フレークと抹茶のババロア、バニラクリームに抹茶のシフォンケーキ、一番上には黒蜜がかかった白玉と抹茶ソフトクリーム、細いロール状のクッキーが二本飾りとして刺さっている。全体的に黒蜜が混ざっており、かなり緑色な印象が際立つミニパフェだ。

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