❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国
第4章 掌中の珠 前編
意地の悪い金色のそれを眇めると、同じ色の眸をまんまるくした光鴇が首を慌てて横に振った。
「なら大人しく言う事を聞く事だ。こっちにお前にお誂(あつら)え向きのものがある。これなら仔栗鼠でも十分食えるだろう」
笑みを滲ませた男が頬杖をついている方とは反対の片手で幼子の頭を軽く撫でた後、光鴇の指した大きなパフェの横にある、小さなパフェを父が指し示す。そこには【ちょっと控えめにしたい方はこちら!黒蜜と抹茶の幸せ白玉ぱふぇ(小)】と書かれており、通常サイズの半分程の大きさのものが載っていた。このくらいならば幼子でも食べられると踏んだのだろう。光鴇が父の示すそれを見て、納得した様子で頷く。
「わかった。とき、こっちにする」
「ああ、いい子だ。凪、臣、お前達は決まったのか」
「俺は決まりました。これにします」
大人しく父の言う事を聞いて納得した幼子の頭を再度ぽん、と撫でてやった後、光秀が正面に座る二人の様子を窺った。光臣は既に注文の品を決めたらしく、【抹茶と黒蜜ときなこのクリームあんみつ】を指している。二人が注文内容を決めた事に焦った凪が、慌てて品書きから顔を上げた。
「二人共早いね……!?光秀さんは決まりましたか?」
「俺は腹が減っていなくてな。お前達が満たされればそれでいい」
「もう、光秀さんらしいですね。あ、ここのお店、お冷とは別にお抹茶がサービス……ええと、注文しなくても頂けるみたいですよ」
「ほう……?それは中々に気の利いた店だな」
「はい、楽しみです。……うーん、じゃあ私はこの【抹茶と黒蜜、秋の味覚の栗ワッフル】にしようかな」
おかわり自由なお冷の他、点てた抹茶が一杯サービスでつくという事で、それに合うメニューをあれこれ選んでいたのだが、最終的には乱世であまり食べる機会の無いものを選んでみた。いつも通り自分のものを注文しようとしない光秀へ眉尻を下げて笑いかけるも、品物が運ばれて来たら食べさせようと考えつつ、店員を呼んで注文内容を述べる。