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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



「どうやら臣には少々刺激が強すぎたらしい」
「そ、そっか……!ごめんね、臣くん。こっちだと女の人が脚出すのとか割と普通だから……」

明らかな揶揄を述べた父の指摘に、凪がはっとした調子で目を丸くする。気まずそうな様子でカルチャーショックを受けただろう息子を気遣うと、光秀が更に興が乗ったとばかりに光臣を喜々としていじめにかかった。

「まだまだ童(わっぱ)かと思ったが、お前も立派な男という事か」
「なっ……妙な含みを持たせて言わないでください…!ただあまりにも普通に脚を見せているから驚いただけです…!」
「むっ、ときもおのこなのに、あにうえだけずるい!」

目元や耳朶をかっと紅く染め上げた光臣が珍しくもむきになって言い返すと、男が喉奥で低く笑いを零す。父に似た幼いながらも端正な面立ちが朱に染まる様は愛らしいが、からかわれる気持ちは凪自身よく分かる為、宥めるように息子の銀髪をよしよしと撫でてやった。しかし、それを見て不満になったのが弟の方である。頬をぷくっと膨らませ、何に張り合っているのかは分からないが、その場で軽く跳ねて自己主張をする。

「そうだな、よしよし」
「ときもりっぱなおとこ、なる」
「ほう、それは楽しみだ」

(可愛い……癒やし……)

むくれて文句を言う幼子の頭を、光秀がぽんぽんと優しく撫でてやれば満足気に光鴇が胸を張る。二人のやり取りを目にしてほっこりした心地になった凪が、光臣へ向き直って様子を窺った。

「臣くん、大丈夫?」
「はい……こちらの世ではそれが普通と認識すれば、何とか。父上は以前にも来た事があるのですよね。驚かなかったのですか?」

さすがに数度凪と共に現代へやって来た事のある光秀は、既にこちらの服装や習慣には一定の耐性がある。露出高めな女性陣がここまでのやり取りの間に何人も通りすがっていたが、まるで目もくれる様子がない事に、光臣が問いかけた。微かに金色の眸を瞬かせた光秀は、あまり関心のない眼差しを周囲へぐるりと向けた後、ひたりと傍に立つ凪へ意識を戻した上で事も無げに告げる。

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