• テキストサイズ

❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



光秀は既に数度こちらへ来ている為、今更驚きはしないものの相変わらず人も物も多いなといった印象を抱いているだろう事は、その顔つきから理解出来る。

「四人共、無事で良かった」
「さすけ、ふくちがう……?」
「ああ、さすがにあの格好じゃ悪目立ちするから、こっちの衣服に着替えて来た」
「にんにん、やめる?」
「暫く忍者は休業だ。こっちでは世を忍ぶ仮の姿で過ごそうと思う」
「よをしのぶかりのすがた、かっこいい……!」
「佐助殿が言うとあながち間違いでもないな」

いつの間にやら現代の衣服に着替え終えていた佐助を見て、光鴇が目を丸くする。見た事のない衣服の形状などは子供達にとってはたいそう物珍しく見え、まじまじと何処か見慣れない佐助の姿を見つめた。冗談を冗談ではない様子で告げた男に対し、光秀が小さく笑いを零す。すっかり五百年後の世に馴染んだ友人の姿を見やり凪が微笑ましそうな調子で声をかけた。

「なんか久し振りだね、佐助くんのその格好」
「ああ、戦国時代の格好が板に付いてる所為で、むしろこっちに違和感を覚えるくらいだよ。さて、今日から二日後……つまり神無月の五日の正午近くに帰りのワームホールが、行きと同じ本能寺跡石碑前で発生の見込みだ。凪さん、スマホは契約したまま?」
「ちょっと待って、今一応確認してみる」

佐助に問われた凪が、白地に銀糸で桔梗の花が刺繍された巾着の中からスマホ端末を取り出した。電源を入れてみると程なくしてホーム画面が表示され、電波がしっかり立っている事を確認する。万が一を想定し、携帯の契約はそのままにしておいた為、問題なく繋がるという訳だ。時報に電話をかけて、しっかりと音声通話などが出来る事を確認した後で佐助へ向き直る。

「うん、大丈夫。ちゃんと繋がるよ」
「それなら安心だ。何かあったら連絡して欲しい。ワームホールの観測は続けておくから、異変があればすぐに報せる」
「ありがとう、よろしくね」
「佐助殿、貴殿の取り計らいに改めて礼を言う」

/ 800ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp