第2章 居場所=三ツ谷隆
流石の香織もこの状況を見れば助けてくれると期待していた
だけど香織の口からは信じられない言葉がリビングに響いた
「ヤダ、そういうのは自分の部屋でしてくれない?リビングとか信じられない」
心底嫌そうな顔を1度向けると何事も無かったように冷蔵庫へと向かう
はあまりの出来事に思考が停止したようにポカンとしていた
だけど香織の身に付けている物に嫌でも目がいき、みるみるの目が見開いた
「何?」
「香織姉さん…それ…」
の目線の先にあるモノに気が付いて香織はさも当然の様に口にする
「地味子より私の方が似合うでしょ?だから使ってあげてんのよ」
自分の髪に付けているが三ツ谷から貰った大事なヘアピンを何故付けているのかが意味が分からなかった
私の為に作ってくれたのが本当に嬉しくて大事な時にしか使わない様に また三ツ谷に会える日が来たら付けて会いに行こうと思っていたのに
「なん…で…」
思わず涙ぐんでしまったに香織は「泣くほど嬉しいの?いいのよ『使ってくれてありがとうございます』なんて」
香織の言葉に押し殺していた血液が沸騰するというのはこの事だと思った
は怒りに任せて油断していた修哉のお腹を蹴って突き飛ばした
「うわっ!いてっ!」
その様子を見ていた香織はに向かって叫んだ
「ちょっと!何キョウダイに暴力奮ってんのよ!」
「アンタ達なんかキョウダイなんて思った事ないっ!!」
そう叫ぶと勢い良く家から飛び出した
「あ〜あ、逃げられた」
お腹を擦りながら不服そうな顔の修哉に香織はさほど気にしていない様な顔を向けた
「あの子の家はここなんだから そのうち帰ってくるわよ」
とミネラルウォーターのキャップを回して口を付けた
「どうせ行く所なんかないんだから」
と香織は薄く笑った