第8章 どんな君も=佐野万次郎
「おい、今謝れば優しい俺達が許してやるよ」
「まぁ、俺達が許しても今から来るヤツラはどうか知らねーけど」
「ちょっと!人数増やすとか卑怯なんだけど!」
「サイッテー…」
思わず声を荒げてしまった瑠衣達に男達はニヤニヤと笑った
「卑怯?戦略的と言って欲しいな ちょっと怖いお兄さん達に躾けて貰うくらいで」
「ふ〜ん、躾ねぇ」
そうボソっと呟くマイキーだったが特に慌てることもなく興味もなさそうだ
「どーでもいいけど俺、早く連れて帰りたいんだけど もういい?それに華蓮達も時間があるだろう?ケンチン」
「へーへー、送っていけって事だろ?」
頭を掻きながら寄ってくるドラケンに華蓮はヒュっと息を呑む
「マ…ママイキーくんっ、ワタシ大丈夫だからっ!うん!」
慌てて拒否する華蓮の姿にマイキーは「大丈夫」とドラケンを見遣った
「ウチと話しながら帰りましょう」
そう言いながらエマがドラケンの後からヒョコっと顔を出して笑った
「ケンチンが行くところにはコイツがくっついて来るから」
だから心配すんなというような顔をマイキーは華蓮に向けた
その顔に気遣いの色が見えた華蓮は素直に「ありがとう」と呟いた
「あ〜じゃあ俺はこっちのおネーさん達を送っていくわ」
ガシガシと頭を掻きながら近付いてきたのは場地だった
「はいっ!場地さんが行くなら俺も行くっす!」
今度は瑠衣達の方へ近寄っていくのは場地だった
その後を当然のように千冬が付いてくる
「え?え?でも…」
戸惑うような視線の瑠衣達に千冬が「ほらほらっ、バスの時間に間に合わないっすよ」と促す
その言葉につられるように「あ…じゃあ」と移動する準備を始める
「なぁマイキー、俺も帰っていいか?」
「あぁ、悪ぃな三ツ谷 飯食えなくて」
「ははっ、この流れじゃそうだろうと思ったよ 帰って飯作るわ」
いつの間にか歩道橋の上から様子を見ていた三ツ谷は手を振りながら帰ろうとしている
「ははっ!何だ何だ 何かと理由を付けて逃げようとしてるぜアイツ」
「あ"?」
ケラケラと馬鹿にするような笑いとともに三ツ谷の耳に届いた言葉にピキっと青筋がたった