第8章 どんな君も=佐野万次郎
「マイキーくんっ、水を買ってきたっす!」
バタバタと急いで走ってきたのは千冬で 手にはペットボトルの水を持っていた
「千冬ぅそんなに慌てて走ってっと転ぶぞー」
歩道橋の上から声を掛けるのは場地圭介であった
「おっ、千冬 気が利くじゃん じゃあに飲ませ…あ、やっぱりエマ飲ませて」
の側には華蓮が守るようにが張り付いているから あまり知らない男が近くに寄るのは嫌だろうと急遽エマを名指しした
「えっ!?ウチ?まぁ…いいけど」
急に名指しされて驚くエマだったが千冬から水を受け取るとに近付いた
「ほら…さん、水飲んで」
キャップを空けての手にボトルを握らせるとの手を支えるようにしてエマがの口に水を運んだ
「あ…ありがとう」
「いえいえ、お礼なら水を買ってきた千冬に言ってやって」
そう言いながらエマは千冬へと視線を向けた
視線の先には先程水を持ってきてくれた千冬という男の子が映り、視線を感じたのかこちらを向くと華蓮に向ってペコリと頭を下げた
つられるように慌てて華蓮がお辞儀を返すと千冬は照れたように笑った
「華蓮、の家の場所わかるものとかねぇ?俺が勝手に漁るのは駄目な気がするから」
「えっ!あぁ、多分住所わかるのはないだろうから紙にワタシが書くよ それと先にの部屋の鍵渡しておく」
ゴソゴソとのカバンを漁っていた華蓮はの家の鍵を見つけると先にマイキーへと渡した
「ん、ありがと」
渡された鍵を大事そうに握りしめると華蓮が紙に書いた住所も受け取るとポケットへとなおした
「おい、さっきから何ずっとシカトこいてるんだよ」
「あれ?まだいたんだ」
イライラした様子の男達にマイキーは悪びれもなく答えた
「はぁ?!本当に痛い目見てぇのかっっ!」
マイキーの言葉に赤い顔をしながら捲し立てる男にもう1人の男が近付いて何かを耳打ちした
すると耳打ちされた男はコロっと態度を変えてニヤニヤした顔でマイキーを見た