【MARVEL】This is my selfishness
第8章 8th
鏡に映る自分を見る。
服と靴だけだけど、いつもの自分と全く違う気がする…まだドレスに着せられてる感があるけど。
ロンさんが選んでくれたドレスは深い黒色で、胸から足先まではタイトなラインながらも左側に大胆に深くスリットが入っていて大人な雰囲気の漂うもの。デコルテの部分は大きく開き、指先の方まで総レースになっていて手首のあたりでゴムが目立たないようにしぼりの役目を担い、そこから同じレースが模様を合わせるようにフリルになっている。
靴も黒で合わせたストラップ付の5㎝ヒールのパンプス。
ヒールで歩き慣れていないのと、ストラップ付のものでないと脱げてしまうことを考慮した結果だ。ソールの裏は濃い赤色で品がある。
「ネックレスはこれなんてどう?」
「アクアマリンがついてるの」と言いながら見せてくれたネックレスは宝石のアクアマリンが銀細工に囲われ、派手過ぎず、シンプルすぎない大きさでさりげない上品さを感じる──────色はまるでバッキーの瞳の様。
『ほ、宝石ですよね?』
「そんな畏まる値段のものじゃないから安心して頂戴」
そうは言っても宝石のついたネックレスなんてつけたことがない。
そんなわたしの表情を読み取ってくれたロンさんが「パーティーは20時からだから18時半くらいに来て頂戴。貴女の服と、彼の服を私の部屋に置いておくから、お店に鍵を取りに来て」と言ってくれた。ギリギリまで預かっていてくれるらしい。
「そっち終わった?」
わたしのドレス選びが終わってからルドルフさんの部屋へロンさんと行く。
「とっくに終わってる」
ルドルフさんとバッキーがソファで寛いでいた。グラスにはお酒が入っている気がするけど気のせいだろうか。
「ドレスじゃないんだな」
『バッキーこそ』
「ミアちゃんには話したんだけど、ギリギリまで預かっておくから、18時半頃に店に来て。鍵を渡すから私の部屋で準備しなさい」
「分かった」
くるり、とロンさんがわたしに振り返る。
「私は店があるから、メイクは他の人を呼んでおくわね」
『えっ、そこまでしてもらわなくても…』
「ミアちゃん、メイク得意じゃないでしょう?せっかくだもの。うんとお洒落しましょ」
ニッコリ笑うロンさんにお礼を言ってお言葉に甘えることにした。
甘えてばかりだ…!