【MARVEL】This is my selfishness
第8章 8th
そこから映画の後はおやつを食べる予定だったけど、ロンさんに今のうちにドレスを合わせましょう、とのことで、ロンさんの家へ着いて行くことになった。
どうやらロンさんたちも映画を観終わった後だったらしい。
半ば強制的にルドルフさんが運転する車にバッキーと二人、押し込まれるように乗り込んだ。もちろん、助手席はロンさん。
何の映画を見たかに始まり、アパートに二人しか住んでいない生活のことを聞かれたり。
ちなみにロンさんの持ちビルに二人で住んでいるロンさんとルドルフさんはお互いに合鍵を持っているらしい。だから出入りは自由だとか。
同性で古くからの知り合いだからこそできることかもしれない。
「ルドルフ、そっちお願いね」
「任せとけ」
わたしはロンさんに、バッキーはルドルフさんに連れられて分かれた。
「どんなのがいいとかリクエストある?」
ロンさんの部屋のウォークインクロゼットにはたくさんの服が掛かっていた。もともとロンさんの几帳面な性格もあり、どの服も綺麗にハンガーに掛けられていたり、クリーニングに出されたものとそうでないものに分かれていて、その中にロンさんの体格には合わなさそうなサイズのものもあった。
『自分に何が合うかもわからないので…』
たくさんの服に目を奪われながら答えると、少しムッとした顔でロンさんが振り返った。
「貴女の希望を聞いたのよ。似合う似合わないじゃなくて」
ムッとした顔はすぐに優しい微笑みに変わった。
そっか…似合う似合わないじゃなくて好きなものを着る方が自分の気持ちを高めれる、楽しくできるということをわたしだってパジャマや下着で実践しているんだった。
改めてちゃんと考えてみる。
───わたしが着たいもの…
『…ちょっとセクシーなの、着てみたいです…』
普段、自分では外に着ていかないような、ちょっぴりセクシーなもの。
わたしの言葉を受けて、ロンさんは楽しそうに「そう来なくっちゃ!」と笑った。
何着か着てみて、ちょうどいいものが見つかった。
「これなら大胆すぎず、下品に見えないながらもちょっぴりセクシーな感じじゃないかしら?」
『そうですね…』