第10章 Betrayal
『…柚葉の傷、なんですか?』
「あ?」
『気づかないとでもお思いですか?』
「…」
『私は貴方との利害関係の前に柚葉の友人です。
いままで彼女に止められてきたので何も申しませんでしたが…今日は我慢なりませんでした。』
いざ口にすると、今までの柚葉が泣いてきた記憶がふつふつと蘇る
怒りにまかせてしまいたいが、そうすると私が帰った後に柚葉と八戒くんがどうなるか分からない
なんとか自分を抑えながら目の前の大寿を見据える
「…つけあがるな。
お前は本を訳すためだけに呼んでいる。これは柴家の問題だ。
お前に口出しされる道理はない。」
『そうですか。
家族の問題だというのなら、あの傷にもなにか理由があってのことですよね?
私などの部外者には立ち入れない程の理由が。』
「そうだ。
そして俺とアイツの中の話をお前が知る必要はない。」
『…別に理由なんて興味ないですしどうでもいいですよ。
知りたくもない。』
「…何が言いたい?」
『…貴方今、認めましたね』
「あ?」
私はニヤリと大寿を見て笑った
『柚葉の傷のこと、貴方は柴家の問題だと仰いました。
つまり、柴家内には家庭内暴力がある。
しかも大寿さん。あなたと柚葉の間には確実に。』
「!」
『私は柚葉から貴方からやられたと聞いたわけではありません。
そして貴方にも。
私はただ、柚葉の顔の傷の説明を兄である貴方に求めただけですよね?』
「貴様…」
『私も驚きました。まさかあの傷が家族の問題と言われるなんて…』
「…」
『…どうしますか?
これ以降、柚葉と弟くんへの暴力行為を止めると言うのであれば黙っておいて差し上げますし、聖本の訳も続けますgーーーダン!!!!