第10章 Betrayal
万次郎がそんなことを話してくれるなんて…
嬉しかった
いつも何でもないように笑ってる万次郎
声を上げて、みんなの前に立って先導する万次郎
1番後ろでみんなを見守る万次郎
でも、その中身は小さくて壊れやすい心を持ったただの15の男の子
…万次郎が怖いと思うこと、そうやって話してくれたなら、その怖さ、私たちも一緒に背負える
万次郎の心がない方向に進んでしまいそうな時は、私たちが止めてあげられる
そして何より、万次郎が自分の胸の内を離してくれることで私たちは彼の弱さに気づける
「…伊織、ケンチン、ありがとう。
俺、2人がいてくれてよかった。」
『ふふ、私も。』
「もちろん俺もだ。」
やっと雨が上がった
私たちは同時に傘を畳むと、それぞれバイクに乗って走り出す
『万次郎、どら焼き買いに行こうよ』
「うーんどら焼き…今日はたい焼きの気分なんだよなぁ」
『えー!どら焼きが良い!!』
「どっちも行くか?」
「やった!さすがケンチン!俺両方買う!!」
『え!そんなのあり!?』
「伊織は?両方買わないの?」
『うーん…流石に両方は太りそう、、、』
「いいんじゃね?今日くらい」
「いいっていいって!」
『うーん…じゃあ両方食べる!!』
「そうこなくっちゃ!!じゃ、行くぞー!!」
『うん!』
そして雨上がりの空、虹が出る中を万次郎のバブとけんちゃんのゼファーが水飛沫を上げながら駆ける
私たちはたい焼きとどら焼きを頬張って、少し遊んだ後家に帰った
1人になるとあの騒がしさが恋しいけど、大丈夫
きっと明日は今日よりもっと騒がしいはずだから