第58章 切り裂かれた『太った婦人』
「今度の土曜日の試合相手はハッフルパフだって。キャプテンが、えーっと…セドリックとかいう人に変わったって」
「セドリック・ディゴリーね」
ハーマイオニーがクスクス笑い出した。
「誰、それ?」
と、ミラがおかしそうにハーマイオニーを見て言った。
「あなた、知らないの? ハッフルパフでイケメンだって色んな子が話してるわ。実際とってもハンサムよ、背も高くて。ほら、この間も通路ですれ違ったじゃない」
「----そんな人、いた?」
ミラは思い出そうと必死に頭を振り絞ったが、何一つ思い出せなかった。
「よーく見てるんだね、君は」
ロンがジットリとハーマイオニーを見た。ハーマイオニーは慌てて手を振った。
「ち、違うわ、勝手に視界に入ってきたのよ」
「ものは言いようだね」
「だって事実なんですもの!背が高くて目立つのよ」
「背の高い人は何人もいたよ」
もはや言い訳のように聞こえるとミラは思った。
「誰が背が高いって?」
ちょうど談話室に帰ってきた双子のフレッドとジョージが、会話に飛び込んできた。
「ハーマイオニーがセドリック・ピゴリーだか、イノコリーだか、ハンサムだって言う話」
「セドリック・ディゴリーよ!」
ミラは頭をソファーの背もたれに倒し、逆さまに見える双子に言った。
「ああ、まーたあいつの話か」
「女子って顔がよかったら無口でもいいのか?」
「俺たちの方が絶対魅力的さ、なあ、ジョージ。僕たちはウィットにも富んでるし」
「退屈もさせない。それに、二つの言葉を繋げる頭もあるぜ」
ブフッ、とミラは吹いた。
「いたずらしすぎの問題児ってところは?」
「おいおい、君が言うのかい?」
「スネイプの部屋に、時限式で爆発するカラーボールを作ってくれって前にお願いしてただろ」