第58章 切り裂かれた『太った婦人』
ダンブルドア校長は、生徒たちの不安を和らげるような落ち着いた声で、大広間へ戻るよう言い渡した。
十分ほどすると、事情を知らない他の寮の生徒たちも次々と集まってくる。誰もが困惑した表情を浮かべ、ざわざわと落ち着かない様子だった。
マクゴナガル先生とフリットウィック先生が大広間の扉という扉を全て閉め切った。シリウス・ブラックがたとえ城内にいたとしても入り込む隙はないだろう。
「気の毒じゃが、みんな、今夜はここに止まることになる。みんなの安全のためじゃ」
ダンブルドア校長はそう告げると、監督生に入り口の見張りに命じ、首席の二人に大広間にいるみんなの指揮を任せた。
そして大広間から出て行こうとした時、ふと思い出したように足を止めた。
「おお、そうじゃ。必要なものがあったのう」
ダンブルドア校長が杖を軽く振ると、長いテーブルが全部大広あの片隅に飛んでいき、きちんと壁を背にして並んだ。
そしてもう一度振ると、今度は何百ものふかふかした村菜色の寝袋が現れて、床いっぱいに敷き詰められた。
「ぐっすりおやすみ」と、ダンブルドア校長はそう言って大広間から出て行った。
すると、大広間はたちまちガヤガヤとうるさくなった。グリフィンドール生が他の寮生に事件の話を始めたせいだった。そのせいでパーシーが寝袋に入るようにと大声をあげることになった。
「静かに!寝袋に入るんだ!」