第9章 純黒の悪夢
このUSBが遠隔操作の受信機になっているのであればとっとと抜いてしまいたい
でも組織側でUSBが抜けてしまったことがすぐに分かるようになっていてはマズいし、実は組織の物でなくて電源供給に必要なUSBだったら尚ヤバい
何か案はないだろうか…
もし電源が落ちたとすれば奴らは作戦成功と思いキュラソー奪還を続行するだろ?
そんな中もし電気が付いたら奴らを照らすことができる……明かりが付けば多くの人がそこに注目をし、奴らも撤退せざるを得ない…
そうだ!!
どういう仕掛けで暗闇にするかはわからないけど、一か八か自動復旧の設定を弄っておけば、システムがやられない限りは復旧可能だ!
しかしモニターを操作し自動復旧の設定を弄ろうとするとパスワードが掛けられ変更ができない
そりゃ簡単にシステム覗かせてもらえないよな…でもこのくらいならすぐ侵入できる
タブレットを取り出しUSBコードで電源供給装置と繋ぎ、プログラム解析を掛けてちょっとコードを弄ってやれば…
「よし!」
パスワードの先へと進む事ができ、自動復旧のシステム変更が可能となった
急いで設定を変更し、赤井に電話を掛けながら片付け作業へと取り掛かる
『どうした?』
「電源供給にどんな細工がされてるかまではわからなかったけど、もし電気を消されても5分後には自動復旧できるように設定した。ただ、予備電源とかシステム自体がダウンされちゃったら復旧は無理なんだけど…」
『何もしないよりはマシだろう』
そっちを頼んで良かったと言われてニッと口元が上がった
整備室を出て元来た道を戻り、観覧車へ上がる階段まで着くと、ジグザグに設置される無数の階段に果てしなさを感じる
「今どこにいる?」
『ちょうど頂上まで辿り着いたところだ』
「わかった、オレ今から上がるから!」
そう言って通話を切ろうとしたが、赤井にそのまま繋いでおくよう言われる
なんだろう…
さすがにスマホを耳に当てたまま階段を駆け上がるのは大変そうなので、荷物からワイヤレスイヤホンを出し耳に付けた
赤井はスピーカー通話にしているのか、時折風の音もゴォォっと聞こえる
耳を傾けながら駆け足で階段を上り始めると、赤井の他にも誰かいる様で相手の声が遠めに聞こえる
もしかして…
『あなたがここに来ることはわかっていましたよ…』
やっぱり零だ…!!
