第9章 純黒の悪夢
「車を停めたら資料を見せてくれ」
観覧車内部の構造を頭に叩き込むと言う
オレも今のうちに把握できる限りのことは頭に入れておかなくては…
「どこから入るつもりでいる?」
「建設中のエリアがあっただろう…?」
今日は終日工事は停止していると、昼間東都水族館に来た時にチェック済みだったようだ
オレが哀ちゃんやコナンと話をしている間に…いつの間に…
「工事現場に人はいない、リニューアルオープンでスタッフは忙しい、防犯カメラさえ避ければ入れると思わんか?」
確かにそこは手薄の筈
さすがにライフルバッグを背負っては入口から入ることは出来ないだろうし、いくら夜だからといって赤井と2人でチケットを買って堂々と入るのは如何なものか…
風見と合流して一緒に入れてもらうには時間が勿体ないし、キュラソーをベルモットが見張っているのであれば合流はまだ無理だ
仕方ないけど、こっそり侵入させてもらうしかなさそうだな…
「建設エリアから観覧車はスタッフ用の地下通路があるから、入るならそこからだね」
内部資料のおかげで最短距離で観覧車へ辿り着けそうだ
駐車場は昼に停めた第3駐車場が一番建設エリアに近いらしい
東都水族館のメイン通りを通り、駐車場の誘導員は第1駐車場が空いていると親切に教えてくれるが、第3駐車場へ停めたいと無理を言い通してもらった
「俺は先に観覧車へ登って様子を見て来る」
「わかった。オレは電気制御室ってのを見つけたからそこに行ってみる。何か分かったらすぐ連絡するね」
建設中のエリアに一番近く、ゲートから一番遠い駐車スペースへ車を停めた
赤井はすぐにタブレットで資料を読み、観覧車内部の構造を把握する
「なかなかの高さだな」
「メンテナンス用の階段を上るしか手はなさそうだよね」
地上100m…ましてや地下からそれを階段で上るには気が遠くなりそうだ
ボディバッグにタブレットをしまい、赤井から借りている銃のホルスターとは逆に斜めがけに背負う
赤井もライフルバッグを背にし、お互いに準備は整った
決戦の場となるであろう観覧車を見上げると、テーマパークの音楽と共に放たれる色とりどりのライトが早く来いと煽ってくる様だ
こんなにも眩しく存在感を放っているこの場所が暗闇に包まれる前に、なんとか手を打たなければ…
「行こうか」
「うん…!」
