第9章 純黒の悪夢
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「2人は窮地を脱しました…」
マスタングに乗り込む頃には気持ちも落ち着き、車を走らせながら赤井がジェイムズさんに報告をしている間にこれから向かう東都水族館の情報集めに取り掛かる
辺りはもうすっかり暗くなり、組織が動くにはちょうど良い頃となってしまった
風見から連絡が入っていて『降谷さんからの指示で東都水族館の観覧車にキュラソーを乗せます』とのことだった
零から風見に連絡が行ったと言うことはあの倉庫から脱出した証拠で、おそらく零も観覧車へと向かうのだろう
風見との合流は観覧車…オレも合流して良いだろうか…?
今まで零を避けて来たのはお互い覚悟を決めたからってのもあったけど、会ったらまず研究室に身を隠さなかったことを怒られ、次に引き返せと言われるのが目に見えていたからってのもちょっとあるんだ
でも観覧車まで行ってしまえばもう何を言われてもいいか…
ギリギリまで会うつもりはないけれど、キュラソーを組織に渡さないようオレもできる限りの事がしたい
零がNOCだという情報を何としてでも守らないと…
「キールはジェイムズ達に任せた」
電話を切った赤井はミラーと目視で車線を変える
水無も無事とはいえ肩を撃たれているんだ、早めに処置をしなければと心配だったが、FBIが動いてくれるなら安心だ
「組織が仕掛けて来るとしたらどのタイミングかなぁ?」
「観覧車…キュラソーが乗るゴンドラが頂上付近になる頃が狙い時だと思わないか?」
なるほど…となると、奴らは空から…
「何か用意しろって言っていたのはヘリ?…だとしたら目立つよね」
「まずは手始めに明かりを消すんだろう」
何か仕掛けてあると言っていたろ?と言われ、明かりを消すための仕掛けだとしたら変電設備に何かあるに違いない
「オレ、水族館に着いたら観覧車の変電設備の確認して来るよ」
「場所はわかるのか?」
「へへっ♪実はね…」
東都水族館のリニューアルはまだ完全に終わっておらず、工事中のエリアもまだある
全て完成したら行われるセレモニーには要人も複数参加するらしく、警備の関係で東都水族館の内部資料が部署に届いていたのを知っていた
風見に資料をタブレットに送れないかとメールをしたら、部署に残っている部下が内密に送信してくれて、つい今、手元に届いたところだった
「さすがだな」
「観覧車の構造もバッチリだよ!」
