第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「なんにせよ、今日のことは二人だけの秘密ね」
裏工作は成功した。なんとかアオキも黙らせることができた。アオキの秘密が女装癖だったのには驚いたけど…。
それにしても、日に日に私への追求が厳しくなってきている。そろそろ逃げ場がなくなるんじゃないか…とも思ったが案外上手くいくかもしれない。
───4日目───
警察が来るまであと1日。
「……なっ───」
ドンッ
「…シ、ラユキ…」
夢の中に現れたシラユキが私を突き落とす。それに驚いて飛び起きると、私は何もない空間に手を伸ばしていた。
「(シラユキ…)」
この数日思ったことがある。秘密のない人間なんていないと。真実に気付いていながら、秘密を盾にされると何も言えなくなる。
それほど、触れられたくない秘密だったってことだ。…そしてそれは、私も同じ。私の秘密を知ったシラユキは、何より恐れる存在に変わった。
トントンッ
「入るよ」
「もう入ってるじゃない…」
「アオキと別れた」
「あら…そうなの?」
やっぱり昨日の会議が原因ね
「振って当然だと思うわ」
「違うっての。…あたしがアオキに振られたんだよ」
「(何でそれをわざわざ私に言いに来たのかしら…?)」
「……………」
「スミレ…人には知られなくない秘密があるのよ。バラした私が言うのもなんだけど…。秘密を知った相手とこれまで通り接するのはツラかったんじゃないかしら」
「…フーン?ほんとさぁ、余計なことしてくれたよね」
不機嫌そうにスミレは肩口に顔を寄せた。
「クロサキ……………でしょ?」
シラユキしか知らないはずの私の秘密を囁いた。
ドンッ
気が付いたら、私はスミレを突き飛ばしていた。
「………っ………!」
スミレは足首を押えて私をニラんだ。
「…アンタさ、今みたいにシラユキも突き飛ばしたんじゃないの?」
「…言いがかりだわ」
「…そう?それは今日の会議で、みんなに判断してもらおうじゃん。今度は憶測で言ったんじゃないから」
「……………」
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