第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「カクザイルに興味がないことは知ってるわ。ライブチケットがくしゃくしゃにされて捨てられていたわよ」
「そ、それをどこで…!」
「それに北野マナの鼻歌を歌っているのを聞いたことがあるわ」
「…この盗み聞き女!」
「バスルームで歌ってるほうが悪いのよ」
「ぐっ……」
「女の子っぽいて言うのはそれだけじゃないわよ。というか女の子っぽいを超えているというか」
確かアオキの部屋に変なものがあった。今度はアオキの趣味について暴こうかしら。
「アオキって、ちょくちょく変な言葉遣いになってない?」
「な、なんのことだ」
「アカイがね…シラユキの幽霊を見たそうなのよ」
「い…いつ!」
「どこかアオキにそっくりだったって…」
そんなこと言ってないけど
「い、いや…」
「あのウィッグとワンピ──」
「やめてっ!」
「(効いてるわ。これで終わらせる!)」
自分の体を両手で抱きしめたアオキに最後のトドメを刺す。
「まさかあのアオキに…女装趣味があったなんてね!」
「いやあああああ!」
「し、静かに!」
「やめて!言わないで!」
「お、落ち着きなさいよ!」
「………………」
「(ど、どうしたの…?)」
「…誰にも…言わないでよ…」
「わ、分かった分かったわよ!」
「約束よ?」
「え、ええ!約束するわ!」
約束するから上目遣いはやめて…
「…あの、少し気になったんだけど…女装趣味なのに彼女はたくさん作るのね」
「ああ…それね。スミレもシラユキもアンタも見た目は可愛かったじゃない?」
「そうね」
オネエ言葉はもう隠さないのね…
「彼氏になったら女子力を参考にできるかと思って」
「なるほど」
「それでグラスの口紅もすぐシラユキのだってわかったの。シラユキの口紅とアンタの口紅は同じ赤でもメーカーが違うもの」
「あーそういうことだったのね。確かにさっきの口紅はシラユキと同じメーカーよ。でもあの口紅はシラユキに勧められて買ったものなの」
「嫌いな赤い口紅を?」
「友達から勧められたものだもの」
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