第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
まずはベッドを調べた。
「これは…ウィッグと洋服?シラユキが着ていた服とそっくり。…どうしてこんなもの、アオキが持ってるの?」
少しぞっとした。そして棚を覗く。
「これはスミレが取ったチケットね。カクザイル…って言ったかしら?」
今若者に人気の歌手だ。角材を振り回すパフォーマンスが有名だけど…私には全く魅力がわからない。
「このチケット、クシャクシャじゃない。どう見ても好きじゃないわね…」
捨てられてあったチケットを見て、アオキはカクザイルが好きじゃないのだろう。
「裏工作はこれで終了ね。今回は良い情報が手に入ったわ」
クスッと笑う。
「さぁアオキ…今度はこっちの番よ。必ずアンタから逃げ切ってやるわ」
◇◆◇
今日も夜になると全員がリビングに集合した。もはや習慣になりつつあるこの会議で、毎回私が責められるのは習慣になってほしくない。
「みんな、今日で3日目だ。警察が来るまであともう少し、ここが踏ん張りどころだぞ。残りの日もみんなで力を合わせて乗り越えよう!」
「(私は力を合わせる気はないわよ。逃げ切るのに必死だもの。)」
でも必ず疑惑の目を掻い潜る。実はここに来る前にある物を入手した。役に立つかは分からないが…万が一に追い詰められた時の“保険”だ。
「(アオキが今朝のことを忘れてくれているとありがたいんだけど。)」
「シラユキの件で何か進展はあったのか?」
「(だからアンタは余計なことを言うなってのよ!!)」
「カナザワは探偵ゴッコをするの飽きないねぇ」
「た、探偵ゴッコじゃねぇよ!ただ、何か変わったことがあったか聞きたかっただけだ」
「スミレの言う通り、俺も探偵ゴッコはもうやめたい。これ以上みんなで疑い合うのはよくないと思う。お互いに疲れるだけだ」
「(今回は乗り切れる、かしら…?)」
「だから俺がシラユキの事件の真相を全て暴いて、探偵ゴッコは今日でおしまいにする!」
「(結局今日も探偵ゴッコするんじゃないの!!)」
「ひとまず、これまでの状況を整理しよう。シラユキが殺されたのは夜中と思われる。夜、飲み会を解散した後はみんなそれぞれどこにいたかを証明できない」
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