第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
映像はここで終わっている。
「(まさかフェミニストの正体が二股野郎だったなんて…)」
試し撮りに焼いたDVDの映像の最後にはシラユキとアオキがイチャつく姿が…。
「アンタも最低ね、アオキ…」
次にアカイのバッグを漁る。
「これはペンライトね」
コンサートで振り回すようなカラフルなものじゃなく、実用的なライトみたいだ。
「アカイの奴、準備が良いわね」
もう探す所はなく、アカイの部屋を出る。ついでにもう一度アオキの部屋を覗いてみた。
「アンタまだ留守番してるの?」
「何度きても、どかねーぞ?」
「別に追い出したいわけじゃないわ」
「んにしてもおっせー…」
「ねぇ、アオキはどこにいるの?」
「風呂だよ風呂。あいつ風呂長ぇんだよなー。…モテる男はそっから違うのか?」
「(じゃあさっきの鼻歌は…アオキ?)」
「あーあ…死ねるな…」
「どうしたのよ?」
「どうしたもこうしたもねえよ…俺がなんのためにこの旅行を提案したと思ってんだ?」
「たしか…親睦を深めるためだったわね」
「アホ、そりゃ建前だ。女子とムフフな展開になる以外なにがあんだよ…小学生じゃねーんだからよ」
「あら、そんな計画を密かに建てていたのね。残念だけどカナザワ…私が聞いた時点でそれは叶わないわよ」
「はん!分かってらぁ」
「(それに殺人事件が起こった今じゃとても無理な展開よ、悪いわねカナザワ。)」
「スミレかミドリ、どっちでもいい…なんかこう恋愛的な発展を望めねえもんか…」
「(シラユキからの切り替え早すぎよ。)」
「この際お前でも…」
「死んでもお断りよ。」
「即答すんなよなぁー…」
「私が留守番代わるって言ってるじゃない」
「その手には乗らないからな、俺ぁな?…約束は守る男なんだよ」
「(…だめね、またあとで来ましょう。)」
頑なに断るカナザワを放っておき、私はスミレの部屋へと向かった。
「スミレ、いいかしら?」
「……あっ」
スミレが床にオーディオプレイヤーを落とした。その衝撃でイヤホンが抜けてしまった。
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